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鐵
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てつ
ふりがな文庫
“
鐵
(
てつ
)” の例文
新字:
鉄
其
(
そ
)
の
鐵
(
てつ
)
の
如
(
ごと
)
き
健脚
(
けんきやく
)
も、
雪
(
ゆき
)
を
踏
(
ふ
)
んではとぼ/\しながら、
前
(
まへ
)
へ
立
(
た
)
つて
足
(
あし
)
あとを
印
(
いん
)
して
上
(
のぼ
)
る、
民子
(
たみこ
)
はあとから
傍目
(
わきめ
)
も
觸
(
ふ
)
らず、
攀
(
よ
)
ぢ
上
(
のぼ
)
る
心細
(
こゝろぼそ
)
さ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
此
(
こ
)
りや
大層
(
たいそう
)
大事
(
だいじ
)
にしてあるな」
醫者
(
いしや
)
は
穢
(
きたな
)
い
手拭
(
てぬぐひ
)
をとつて
勘次
(
かんじ
)
の
肘
(
ひぢ
)
を
見
(
み
)
た。
鐵
(
てつ
)
の
火箸
(
ひばし
)
で
打
(
う
)
つた
趾
(
あと
)
が
指
(
ゆび
)
の
如
(
ごと
)
くほのかに
膨
(
ふく
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一通りの調べが濟んで歸らうとすると、檢死に立會つた、同心長谷部彌三郎が、
老巧
(
らうかう
)
の目明し、
村雨
(
むらさめ
)
の
鐵
(
てつ
)
をつれて、淺野屋をのぞきました。
銭形平次捕物控:264 八五郎の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それで
銅
(
どう
)
と
鐵
(
てつ
)
の
二
(
ふた
)
つの
中
(
うち
)
、いづれかゞ
使用
(
しよう
)
されることになりましたが、
果
(
はた
)
してどちらが
先
(
さき
)
に
使用
(
しよう
)
されたかについては
今
(
いま
)
なほ
議論
(
ぎろん
)
があります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
私
(
わたくし
)
は
默然
(
もくねん
)
として、
猶
(
なほ
)
も
其處
(
そこ
)
を
見詰
(
みつ
)
めて
居
(
を
)
ると、
暫時
(
しばらく
)
して
其
(
その
)
不思議
(
ふしぎ
)
なる
岩陰
(
いわかげ
)
から、
昨日
(
きのふ
)
も
一昨日
(
おとゝひ
)
も
聽
(
き
)
いた、
鐵
(
てつ
)
の
響
(
ひゞき
)
が
起
(
おこ
)
つて
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
お
隣
(
とな
)
りの
鐵
(
てつ
)
さんは、
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
の
友伯父
(
ともをぢ
)
さんと
同
(
おな
)
い
年
(
どし
)
ぐらゐで、
一緒
(
いつしよ
)
に
遊
(
あそ
)
ぶにも
父
(
とう
)
さんの
方
(
はう
)
がいくらか
弟
(
おとうと
)
のやうに
思
(
おも
)
はれるところが
有
(
あ
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
段々
(
だん/\
)
集注
(
しふちゆう
)
して
凝
(
こ
)
り
固
(
かた
)
まつて、
仕舞
(
しまひ
)
に
鐵
(
てつ
)
の
棒
(
ぼう
)
の
樣
(
やう
)
にならなくては
駄目
(
だめ
)
だと
云
(
い
)
つた。さう
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
けば
聞
(
き
)
く
程
(
ほど
)
、
實際
(
じつさい
)
にさうなるのが、
困難
(
こんなん
)
になつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これによつて
地球
(
ちきゆう
)
の
内部
(
ないぶ
)
を
通
(
とほ
)
るときの
地震波
(
ぢしんぱ
)
の
速
(
はや
)
さは、
地球
(
ちきゆう
)
を
鋼鐵
(
こうてつ
)
とした
場合
(
ばあひ
)
の
幾倍
(
いくばい
)
にも
當
(
あた
)
ることが
分
(
わか
)
り、
又
(
また
)
地球
(
ちきゆう
)
の
内部
(
ないぶ
)
は
鐵
(
てつ
)
の
心
(
しん
)
から
成
(
か
)
り
立
(
た
)
つてをり
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
ひどく
弱
(
よわ
)
つて
居
(
い
)
るやうだなと
見知
(
みし
)
りの
臺屋
(
だいや
)
に
咎
(
とが
)
められしほど
成
(
なり
)
しが、
父親
(
ちゝおや
)
はお
辭氣
(
じぎ
)
の
鐵
(
てつ
)
とて
目上
(
めうへ
)
の
人
(
ひと
)
に
頭
(
つむり
)
をあげた
事
(
こと
)
なく
廓内
(
なか
)
の
旦那
(
だんな
)
は
言
(
い
)
はずともの
事
(
こと
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
面目ない
処
(
どころ
)
じゃアない、
皆
(
みん
)
なが
誉
(
ほ
)
めて居やす、
錨床
(
いかりどこ
)
の
鐵
(
てつ
)
が来て、あの
娘
(
ねえ
)
さんのような感心なものは
無
(
ね
)
え、親の為に自分から駈込んで身を売るというのは実に感心だ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ロミオ はて、
其
(
その
)
覘
(
ねらひ
)
は
外
(
はづ
)
れた。
戀愛神
(
キューピッド
)
の
弱弓
(
よわゆみ
)
では
射落
(
いおと
)
されぬ
女
(
をんな
)
ぢゃ。
處女神
(
ダイヤナ
)
の
徳
(
とく
)
を
具
(
そな
)
へ、
貞操
(
ていさう
)
の
鐵
(
てつ
)
の
鎧
(
よろひ
)
に
身
(
み
)
を
固
(
かた
)
めて、
戀
(
こひ
)
の
稚
(
をさな
)
い
孱弱矢
(
へろ/\や
)
なぞでは
些小
(
いさゝか
)
の
手創
(
てきず
)
をも
負
(
お
)
はぬ
女
(
をんな
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何
(
なに
)
がつて、こんなところに
何
(
なに
)
か
惡
(
わる
)
いことでもした
人間
(
にんげん
)
のやうに、
誰
(
だれ
)
をみても、かうして
鐵
(
てつ
)
の
格子
(
かうし
)
か、そうでなければ
金網
(
かなあみ
)
や
木柵
(
もくさく
)
、
石室
(
いしむろ
)
、
板圍
(
いたがこい
)
なんどの
中
(
なか
)
に
閉込
(
とぢこ
)
められてさ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
仕廻
(
しま
)
つて休むが
好
(
いゝ
)
といふに下男彌助何さま
然樣
(
さやう
)
致さんと早々に見世を
片
(
かた
)
つけ
今
(
いま
)
戸を
建
(
たて
)
んとする處へ
見上
(
みあぐ
)
る如き大兵の武士
鐵
(
てつ
)
の
禪杖
(
ぜんぢやう
)
を引さげつか/\と
這入
(
はひり
)
來り是々若いもの酒を一升かんを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
假
(
かり
)
に
茲
(
こゝ
)
に
外國
(
ぐわいこく
)
から
輸入
(
ゆにふ
)
する
羅紗
(
ラシヤ
)
一ヤールの
値段
(
ねだん
)
が五
圓
(
ゑん
)
とすると、
爲替相場
(
かはせさうば
)
が一
割
(
わり
)
一
分
(
ぶ
)
下
(
さが
)
つて
居
(
を
)
ればそれを五
圓
(
ゑん
)
五十五
錢
(
せん
)
でなければ
買
(
か
)
へぬのである。
棉花
(
めんくわ
)
も
同樣
(
どうやう
)
である。
輸入
(
ゆにふ
)
の
鐵
(
てつ
)
も
同樣
(
どうやう
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
まがねふくは、
鐵
(
てつ
)
を
吹
(
ふ
)
きわけるといふ
元
(
もと
)
の
意味
(
いみ
)
を
忘
(
わす
)
れてゐて、こゝでは、
單
(
たん
)
に
吉備
(
きび
)
を
起
(
おこ
)
すための
枕詞
(
まくらことば
)
にすぎません。こんな
單純
(
たんじゆん
)
なうちに、われ/\の
心
(
こゝろ
)
を
豐
(
ゆたか
)
にする
文學
(
ぶんがく
)
の
味
(
あぢは
)
ひが
歌
(
うた
)
にはあるのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
汽車が來る…………眞黒な
鐵
(
てつ
)
の
汗
(
あせ
)
の
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鐵
(
てつ
)
でつくったカンヂキをはいて
冠松次郎氏におくる詩
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
鐵
(
てつ
)
の
門扉
(
とびら
)
を
打摧
(
うちくだ
)
かれ、
敵軍
(
てきぐん
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
鐵
(
てつ
)
づくりの
門
(
もん
)
の
柱
(
はしら
)
の、やがて
平地
(
へいち
)
と
同
(
おな
)
じに
埋
(
うづ
)
まつた
眞中
(
まんなか
)
を、
犬
(
いぬ
)
は
山
(
やま
)
を
乘
(
の
)
るやうに
入
(
はひ
)
ります。
私
(
わたし
)
は
坂
(
さか
)
を
越
(
こ
)
すやうに
續
(
つゞ
)
きました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし
鐵
(
てつ
)
が
初
(
はじ
)
めて
用
(
もち
)
ひられた
頃
(
ころ
)
は、
銅
(
どう
)
ばかり
使
(
つか
)
つてゐた
前
(
まへ
)
の
時代
(
じだい
)
よりは
必
(
かなら
)
ずしも
文明
(
ぶんめい
)
が
進
(
すゝ
)
んでゐたといふことは
出來
(
でき
)
ません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
彼
(
かれ
)
は
家
(
うち
)
に
歸
(
かへ
)
ると
共
(
とも
)
に
唐鍬
(
たうぐは
)
の
柄
(
え
)
を
付
(
つけ
)
た。
鉈
(
なた
)
の
刀背
(
みね
)
で
鐵
(
てつ
)
の
楔
(
くさび
)
を
打
(
う
)
ち
込
(
こ
)
んでさうして
柄
(
え
)
を
執
(
と
)
つて
動
(
うご
)
かして
見
(
み
)
た。
次
(
つぎ
)
の
朝
(
あさ
)
からもう
勘次
(
かんじ
)
の
姿
(
すがた
)
は
林
(
はやし
)
に
見出
(
みいだ
)
された。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それに、お
隣
(
とな
)
りの
鐵
(
てつ
)
さんでも、その
妹
(
いもうと
)
のお
勇
(
ゆう
)
さんでも、
祖父
(
おぢい
)
さんのお
弟子
(
でし
)
として
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
へ
通
(
かよ
)
つて
來
(
き
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『
何
(
なに
)
、
左樣
(
さう
)
でない、
此
(
この
)
獸
(
じう
)
は
泥土
(
どろ
)
と、
松脂
(
まつやに
)
とで、
毛皮
(
けがわ
)
を
鐵
(
てつ
)
のやうに
固
(
かた
)
めて
居
(
を
)
るのだから、
小銃
(
せうじう
)
の
彈丸
(
たま
)
位
(
ぐらい
)
では
容易
(
ようゐ
)
に
貫
(
つらぬ
)
く
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ないのさ。』と
私
(
わたくし
)
は
慰
(
なぐさ
)
めた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ポンと寅を川ん中へ
投
(
ほう
)
り込んだ時にゃア、
己
(
おら
)
あフーッてって這ッちまった、あの
長
(
なげ
)
え
永代橋
(
えいてえ
)
を
四
(
よつ
)
ン
這
(
べえ
)
に這って向うまで渡って、箱崎の
鐵
(
てつ
)
爺さんの
屋台店
(
やてえみせ
)
へ飛び込んで
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「もう一つの入口は、雜用藏の方から入るので、その扉は
鐵
(
てつ
)
の
棧
(
さん
)
で内から閉めてありますから、外からは開ける工夫もなく、それに棧も引手も
埃
(
ほこり
)
が一パイで五、六日は開けた樣子もありません」
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
宗助
(
そうすけ
)
が
電車
(
でんしや
)
の
終點
(
しゆうてん
)
迄
(
まで
)
來
(
き
)
て、
運轉手
(
うんてんしゆ
)
に
切符
(
きつぷ
)
を
渡
(
わた
)
した
時
(
とき
)
には、もう
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
が
光
(
ひかり
)
を
失
(
うしな
)
ひかけて、
濕
(
しめ
)
つた
徃來
(
わうらい
)
に、
暗
(
くら
)
い
影
(
かげ
)
が
射
(
さ
)
し
募
(
つの
)
る
頃
(
ころ
)
であつた。
降
(
お
)
りやうとして、
鐵
(
てつ
)
の
柱
(
はしら
)
を
握
(
にぎ
)
つたら、
急
(
きふ
)
に
寒
(
さむ
)
い
心持
(
こゝろもち
)
がした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
誘引
(
さそひ
)
に來たれども夫は
用向
(
ようむき
)
もあれば
行
(
ゆか
)
れぬと
斷
(
ことわ
)
りしに其時
貴殿
(
おまへ
)
は
扇子
(
あふぎ
)
を落して來たから
貸
(
かし
)
て
呉
(
くれ
)
ろと云ふ故
鐵
(
てつ
)
の
扇
(
あふぎ
)
を
貸
(
かし
)
て
遣
(
や
)
つた其日鴻の巣の金兵衞が金五百兩
勝
(
かち
)
しを見て
汝
(
おの
)
れは先へ廻り金兵衞が歸りを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
鐵
(
てつ
)
できたへた
友情
(
いうじやう
)
をかついで
冠松次郎氏におくる詩
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
よ
方々
(
かた/″\
)
と、
側
(
そば
)
なる
鐵
(
てつ
)
の
圓柱
(
まるばしら
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
黒雲
(
くろくも
)
を
捲
(
ま
)
いて、
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
き、
電
(
いなづま
)
のやうに、
鐵
(
てつ
)
の
門
(
もん
)
、
石
(
いし
)
の
唐戸
(
からと
)
にも、
遮
(
さへぎ
)
らせず、
眞赤
(
まつか
)
な
胸
(
むね
)
の
炎
(
ほのほ
)
で
包
(
つゝ
)
んで、
弱
(
よわ
)
い
婦
(
をんな
)
に
逢
(
あ
)
ひました。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
もちろんこの
鐵
(
てつ
)
の
甲胄
(
かつちゆう
)
の
他
(
ほか
)
に、
革製
(
かはせい
)
のものもあつたと
思
(
おも
)
はれますが、これはとっくに
腐
(
くさ
)
つてしまひ、
今
(
いま
)
は
殘
(
のこ
)
つてをりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
爺
(
ぢい
)
やは
父
(
とう
)
さんの
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る
前
(
まへ
)
で、
爐邊
(
ろばた
)
にある
太
(
ふと
)
い
鐵
(
てつ
)
の
火箸
(
ひばし
)
を
取出
(
とりだ
)
しました。それで
澁柿
(
しぶかき
)
に
穴
(
あな
)
をあけました。
栗
(
くり
)
を
燒
(
や
)
くと
同
(
おな
)
じやうにその
澁柿
(
しぶかき
)
を
爐
(
ろ
)
にくべました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
卯平
(
うへい
)
は
時々
(
とき/″\
)
鹽鮭
(
しほざけ
)
の
一切
(
ひときれ
)
を
古新聞紙
(
ふるしんぶんし
)
の
端
(
はし
)
へ
包
(
つゝ
)
んで
來
(
き
)
ては
火鉢
(
ひばち
)
へ
鐵
(
てつ
)
の
火箸
(
ひばし
)
を
渡
(
わた
)
して、
少
(
すこ
)
し
燻
(
いぶ
)
る
麁朶
(
そだ
)
の
火
(
ひ
)
に
燒
(
や
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『
此處
(
こゝ
)
が
秘密
(
ひみつ
)
の
塲所
(
ばしよ
)
の
入口
(
いりくち
)
です。』と
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は
私
(
わたくし
)
を
顧見
(
かへりみ
)
た。
此時
(
このとき
)
はまだ
工事
(
こうじ
)
も
始
(
はじ
)
まらぬと
見
(
み
)
へ、
例
(
れい
)
の
鐵
(
てつ
)
の
響
(
ひゞき
)
も
聽
(
きこ
)
えず、
中
(
なか
)
はシーンとして、
凄
(
すご
)
い
程
(
ほど
)
物靜
(
ものしづ
)
かだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「そんなところはありやしません、まるで
鐵
(
てつ
)
の
桶
(
をけ
)
見たいな家で」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
殘して
置
(
おけ
)
ば
能
(
よか
)
つたに皆殺せしは是非もなしドレ參らうと半四郎一人にて
引擔
(
ひきかつ
)
ぎサア/\御女中
先
(
さき
)
へ
立
(
たゝ
)
れよと云つゝ行んとせしが半四郎は大小と
鐵
(
てつ
)
の
禪杖
(
ぜんぢやう
)
の
邪魔
(
じやま
)
に成たれば
若
(
もし
)
御女中憚りながら此大小と
杖
(
つゑ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
○「おい
鐵
(
てつ
)
う」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
喜多
(
きた
)
は
食堂
(
しよくだう
)
へ
飮酒
(
のみ
)
に
行
(
ゆ
)
く。……あの
鐵
(
てつ
)
の
棒
(
ぼう
)
につかまつて、ぶるツとしながら
繋目
(
つなぎめ
)
の
板
(
いた
)
を
踏越
(
ふみこ
)
すのは、
長屋
(
ながや
)
の
露地
(
ろぢ
)
の
溝板
(
どぶいた
)
に
地震
(
ぢしん
)
と
云
(
い
)
ふ
趣
(
おもむき
)
あり。
雨
(
あめ
)
は
小留
(
をや
)
みに
成
(
な
)
る。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「もう一人、中間の
鐵
(
てつ
)
が居ります」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
王鎧
(
わうがい
)
どんなものだと
云
(
い
)
つて、
是
(
これ
)
を
石崇
(
せきそう
)
に
示
(
しめ
)
すや、
石崇
(
せきそう
)
一笑
(
いつせう
)
して
鐵
(
てつ
)
如意
(
によい
)
を
以
(
もつ
)
て
撃
(
う
)
つて
碎
(
くだ
)
く。
王鎧
(
わうがい
)
大
(
おほい
)
に
怒
(
いか
)
る。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
むかしは
兩岸
(
りやうがん
)
に
巨木
(
きよぼく
)
を
立
(
た
)
て、
之
(
これ
)
に
藤
(
ふぢ
)
の
綱
(
つな
)
十條
(
とすぢ
)
を
曳
(
ひ
)
き、
綱
(
つな
)
に
板
(
いた
)
を
渡
(
わた
)
したと
言
(
い
)
ふ、
著
(
いちじる
)
しき
由緒
(
ゆゐしよ
)
があつて、いまも
古制
(
こせい
)
に
習
(
なら
)
つた、
鐵
(
てつ
)
の
釣橋
(
つりばし
)
だと
言
(
い
)
ふ……おまけに
歌
(
うた
)
まである。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
日本
(
につぽん
)
ぢや
身
(
み
)
がはりの
首
(
くび
)
と
云
(
い
)
ふ
武士道
(
ぶしだう
)
とかがあつたけれど、
其
(
そ
)
の
島
(
しま
)
ぢや
遁
(
に
)
げると
不可
(
いけな
)
いからつて、
足
(
あし
)
を
縛
(
しば
)
つて、
首
(
くび
)
から
掛
(
か
)
けて、
股
(
また
)
の
間
(
あひだ
)
へ
鐵
(
てつ
)
の
分銅
(
ふんどう
)
を
釣
(
つ
)
るんだつて……
其處
(
そこ
)
へ、あの、
黒
(
くろ
)
い
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
町
(
まち
)
を
離
(
はな
)
れてから
浪打際
(
なみうちぎは
)
まで、
凡
(
およ
)
そ二百
歩
(
ほ
)
もあつた
筈
(
はず
)
なのが、
白砂
(
しらすな
)
に
足
(
あし
)
を
踏掛
(
ふみか
)
けたと
思
(
おも
)
ふと、
早
(
は
)
や
爪先
(
つまさき
)
が
冷
(
つめた
)
く
浪
(
なみ
)
のさきに
觸
(
ふ
)
れたので、
晝間
(
ひるま
)
は
鐵
(
てつ
)
の
鍋
(
なべ
)
で
煮上
(
にあ
)
げたやうな
砂
(
すな
)
が、
皆
(
みな
)
ずぶ/″\に
濡
(
ぬ
)
れて
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鐵
(
てつ
)
の
棒
(
ぼう
)
の
杖
(
つゑ
)
をガンといつて、
尻
(
しり
)
まくりの
逞
(
たくま
)
しい
一分刈
(
いちぶがり
)
の
凸頭
(
でこあたま
)
が「
麹町
(
かいぢまち
)
六丁目
(
ろくちやうめ
)
が
燒
(
やけ
)
とるで!
今
(
いま
)
ぱつと
火
(
ひ
)
を
吹
(
ふ
)
いた
處
(
ところ
)
だ、うむ。」と
炎天
(
えんてん
)
に、
赤黒
(
あかぐろ
)
い、
油
(
あぶら
)
ぎつた
顏
(
かほ
)
をして、
目
(
め
)
をきよろりと、
肩
(
かた
)
をゆがめて
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“鐵(
鉄
)”の解説
鉄(てつ、鐵、en: iron、la: ferrum)は、原子番号26の元素である。元素記号はFe。金属元素のひとつで、遷移元素である。太陽や、ほかの天体にも豊富に存在し、地球の地殻の約5 %を占め、大部分は外核・内核にある。
(出典:Wikipedia)
鐵
部首:⾦
21画
“鐵”を含む語句
鐵槌
鋼鐵
鐵砲
鐵棒
鐵鎖
無鐵砲
鐵釘
鐵檻車
鐵漿
鐵道
鐵拳
鐵桶
鐵砲玉
鐵葉
肘鐵砲
鐵鉢
甲鐵艦
鐵板
薄葉鐵
鐵卷
...