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ひるくらきこの苔寺にかくろひてかゆしけむ岩倉具視(岩倉贈丞国は文治二年九月十五日難を避くるため姿を変じてこの寺にかくる)
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
わがどちはこの我は、わが妻とても、今さらにさずともよし、さずともよし。ましら玉しら玉あはれ、しら玉の米、玉の米、米の玉あはれ。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「父母を見れば尊し、妻子めこ見ればめぐしうつくし、世の中はかくぞ道理ことわり」、「つちならば大王おほきみいます、この照らす日月の下は、天雲あまぐも向伏むかふきはみ谷蟆たにぐくのさ渡る極、きこす国のまほらぞ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
夕食ゆふげす子らのどの子かにほふなりすでにみかんをもぎはじめたり
かき・みかん・かに (新字新仮名) / 中島哀浪(著)
みちのくの海辺の家にみだれ咲く黄菊しらぎくすためにありとも
東北の家 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
うれしくてうれしくて吾はいくたびもはなをかむなりいひしにつつ
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
わが歌は冬の夕餐ゆふげのちにして林檎しつゝよみにける歌
和歌でない歌 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
わがどちはこの我は、わが妻とても、今さらにさずともよし、さずともよし。ましら玉、しら玉あはれ。しら玉の米、玉の米、米の玉あはれ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
この冬は越えがたからむ食べたしと欲りするままに物もしなむ(元気またなく、やはり駄目かなと思ふ)
枕上浮雲 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
うつせみのいのちしみなみ伊良虞いらごしま玉藻たまもす 〔巻一・二四〕 麻続王
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
おしなべて読む物よりもし物〔を〕喜ぶ老に我は入りけり(鈴木安蔵自著を寄せられしに対し)
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
ひもじきかさらばせよと、一つに牛の盛れば、子鴉はみぎりより来て、犬の子は左よりきて、はしと口つつき合せて、つつめ、啄き嘗めつす。また、そねみ、惜み、にくまず。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
みづ清き川上かはかみがはに住むうをのエダをしたり昼のかれひに
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
亡き友の病みこやりても得ざりしをすくやかにしてすこのもちひはも(氷谷博士既に重態に陥られ食慾なかりし折、餅を欲せられしも、この時勢とて入手し得られざりしことを思ひ起して)
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
葱のぬたしつつふともこの葱は硬き葱ぞと父のらしつ (二七〇頁)
文庫版『雀の卵』覚書 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
犬の子に白き飯皿いひざら、子鴉に青き飯皿、朝夕に同じ飯盛り、おのがじじせよとべば、犬の子はが飯惜しと、子鴉はが飯惜しと、犬の子は子鴉が飯、子鴉は犬の子が飯、ひたぶるに奪ひ取らむと
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
飽きるまで物しに来よとよばれても行く力なき先生あはれなり
枕上浮雲 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
葱のぬたしつつふともこの葱はかたき葱ぞと父のらしつ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
垂乳根の親とその子のあたたかく飯さへ笑ひがたきか
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
蝗麿網戸にとまり涼しさよあかりさしむけて我ら夕餉ゆふげ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
蝗麿網戸にとまり涼しさよあかりさしむけて我ら夕餉ゆふげ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)