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頬鬚
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ほおひげ
ふりがな文庫
“
頬鬚
(
ほおひげ
)” の例文
年はもう五十を越しているのであろう、
鉄縁
(
てつぶち
)
のパンス・ネエをかけた、鶏のように顔の赤い、短い
頬鬚
(
ほおひげ
)
のある
仏蘭西
(
フランス
)
人である。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
至
(
いた
)
って
元気
(
げんき
)
な、
壮健
(
そうけん
)
な、
立派
(
りっぱ
)
な
白
(
しろ
)
い
頬鬚
(
ほおひげ
)
の、
快活
(
かいかつ
)
な
大声
(
おおごえ
)
の、しかも
気
(
き
)
の
善
(
よ
)
い、
感情
(
かんじょう
)
の
深
(
ふか
)
い
人間
(
にんげん
)
である。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
判で押したように彼は綺麗に赤い
頬鬚
(
ほおひげ
)
に手入れをして、絶えず微笑をうかべながら、温和な職業的態度で私を見廻って来るので、しまいには私も、おれは恩知らずの
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
四角張った顔、
脣
(
くちびる
)
の薄い引き締まった口、荒々しい半白の濃い
頬鬚
(
ほおひげ
)
、ふところの中まで見通すような目つき、それは透徹する目ではなくて、探索する目と言う方が適当だった。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
私等
(
あっしら
)
の馬車に乗っている黒い
頬鬚
(
ほおひげ
)
を
生
(
はや
)
した
絹帽
(
シルクハット
)
の馭者がチョット
鞭
(
むち
)
を揚げて合図みたいな真似をすると、どの巡査もどの巡査も直ぐにクルリと向うを向いて行っちまったんです。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
鼠はまるで、灰色の
頬鬚
(
ほおひげ
)
をはやした
侏儒
(
こびと
)
のようでした。何か問うようにセエラをみつめているのでした。眼付が妙におどおどしているので、セエラはふとこんなことを考えました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
骸骨
(
がいこつ
)
のように大きい頭、黒い眼鏡、特徴のある
口髭
(
くちひげ
)
頬鬚
(
ほおひげ
)
頤髯
(
あごひげ
)
、黒い中国服に包んだ痩せた体——一体この体のどこからあのようなすばらしい着想とおそるべき精力とが出て来るのであろう。
共軛回転弾:――金博士シリーズ・11――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
されども紳士は一向心附かぬ
容子
(
ようす
)
で、尚お
彼方
(
あちら
)
を向いて
鵠立
(
たたずん
)
でいたが、再三再四
虚辞儀
(
からじぎ
)
をさしてから、漸くにムシャクシャと
頬鬚
(
ほおひげ
)
の
生弘
(
はえひろが
)
ッた気むずかしい貌を
此方
(
こちら
)
へ振向けて、昇の貌を眺め
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
頬鬚
(
ほおひげ
)
の生えた角帯の仲買いの四十男が
秤
(
はかり
)
ではかって、それから
筵
(
むしろ
)
へと、その白い美しい繭をあけた。相場は日ごとに変わった。銅貨や銀貨をじゃらじゃらと音させて、景気よく金を払ってやった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ユーワンは、例の
頬鬚
(
ほおひげ
)
の執事であった。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そう云う薄暗い堂内に
紅毛人
(
こうもうじん
)
の
神父
(
しんぷ
)
が一人、
祈祷
(
きとう
)
の頭を
垂
(
た
)
れている。年は四十五六であろう。額の
狭
(
せま
)
い、
顴骨
(
かんこつ
)
の突き出た、
頬鬚
(
ほおひげ
)
の深い男である。
おしの
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
気のきいた
小咄
(
こばなし
)
をしていた時、食卓の
端
(
はし
)
の方で赤い短い
頬鬚
(
ほおひげ
)
をはやした男が、ここへ来る途中で見知らない一人の気違いに出逢ったことを、
尾鰭
(
おひれ
)
をつけて話しているのに気がついた。
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
中食
(
ちゅうじき
)
はテストフ
亭
(
てい
)
と
云
(
い
)
う
料理店
(
りょうりてん
)
に
入
(
はい
)
ったが、ここでもミハイル、アウエリヤヌイチは、
頬鬚
(
ほおひげ
)
を
撫
(
な
)
でながら、ややしばらく、
品書
(
しながき
)
を
拈転
(
ひねく
)
って、
料理店
(
りょうりや
)
を
我
(
わ
)
が
家
(
や
)
のように
挙動
(
ふるま
)
う
愛食家風
(
あいしょくかふう
)
の
調子
(
ちょうし
)
で。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
頬
部首:⾴
15画
鬚
漢検1級
部首:⾽
22画
“頬”で始まる語句
頬
頬杖
頬冠
頬張
頬被
頬辺
頬骨
頬白
頬髯
頬桁