雪車そり)” の例文
くるひまつはり、からまつて、民子たみこはだおほうたのは、とりながらもこゝろありけむ、民子たみこ雪車そりのあとをしたうて、大空おほぞらわたつてかりであつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
雪車そりに曳かれて着いた宿は、停車場から程遠からぬカルトン・ホテル Carlton Hôtel で、まだ新築の奇麗な家であった。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
かれ泥行でいかうの用なれば雪中に用ふるとは製作せいさくことなるべし。そりの字、○そりそりそり秧馬そり諸書しよしよ散見さんけんす。あるひは○雪車そり雪舟そりの字を用ふるは俗用ぞくようなり。
昨日にこりて今日は雪車そりを引っぱって来た、無論登りには重くって仕方がないが、帰り路の面白さは、今から想像される。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
かれ泥行でいかうの用なれば雪中に用ふるとは製作せいさくことなるべし。そりの字、○そりそりそり秧馬そり諸書しよしよ散見さんけんす。あるひは○雪車そり雪舟そりの字を用ふるは俗用ぞくようなり。
民子たみこをのせて雪車そりは、みちすべつて、十三といふ難所なんしよを、大切たいせつきやくばかりを千尋ちひろ谷底たにそこおとした、ゆきゆゑ怪我けがはなかつたが、落込おちこんだのは炭燒すみやき小屋こやなか
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
里人りじんは雪車に物をのせ、おのれものりて雪上をゆく事舟のごとくす。雪中は牛馬の足立ざるゆゑすべて雪車そりを用ふ。春の雪中おもきおはしむる事牛馬うしうままさる。
もしみませぬと、とてみちつうじません、ふりやんでくれさへすれば、雪車そります便宜たよりもあります、御存ごぞんじでもありませうが、へんでは、雪籠ゆきごめといつて、やまなか一夜いちやうち
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ベルナーホーフの主人は気持ちのいい男だった、の夏また山登りに来る約束をして、待たせてあった雪車そりに乗って、ヘョーエウェークの大通りをオスト・バーンノーフに行った。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
かんじきにてあし自在じざいならず、雪ひざすゆゑ也。これ冬の雪中一ツの艱難かんなんなり。春は雪こほり銕石てつせきのごとくなれば、雪車そり(又雪舟そりの字をも用ふ)を以ておもきす。
俳諧はいかい季寄きよせ雪車そりを冬とするはあやまれり。さればとて雪中の物なれば春のには似気にげなし。古哥にも多くは冬によめり、じつにはたがふとも冬として可なり。