雄大ゆうだい)” の例文
日本につぽんける活火山かつかざん兩大關りようおほぜきひがしほう淺間山あさまやまとすれば、西にし阿蘇山あそざんである。なかにも阿蘇あそはその外輪山がいりんざん雄大ゆうだいなことにおい世界第一せかいだいゝちといはれてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ある時は、トオラス山のはやぶさが、湖と草原と山脈と、またその向うの鏡のごとき湖との雄大ゆうだい眺望ちょうぼうについて語った。
狐憑 (新字新仮名) / 中島敦(著)
大きな硝子ガラスばりの窓を通して、眼下にひらける広々とした雄大ゆうだいなる奇異きいな風景! それは、あたかも那須高原なすこうげんに立って大平原だいへいげんを見下ろしたのに似ていたが
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ばけものゝ一めんきはめて雄大ゆうだい全宇宙ぜんうちう抱括はうくわつする、しかの一めんきはめて微妙びめうで、ほとんさいわたる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
さらまたなにかの場合ばあい神々かみがみがはげしい御力おちから発揮はっきされる場合ばあいには荘厳そうごんおうか、雄大ゆうだいもうそうか、とても筆紙ひっしつくされぬ、あのおそろしい竜姿りゅうしをおあらわしになられます。
そして、まくのごときまッ黒な怪物かいぶつが、日輪にちりんの光を雄大ゆうだいつばさのかげにかくし、クルルッ——ときあがっていった栴檀刀せんだんとうを目がけて、どこからかまるで魔風まかぜのようにけおりてきたかと見ると
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
熱帶地方ねつたいちはう自然界しぜんかいきはめて雄大ゆうだいであるから、思想しさう自然しぜん深刻しんこくになるものである。そして熱帶ねつたい多神教たしんけうしんずるくにおいて、もつと深刻しんこく化物思想ばけものしさう發達はつたつしたといふことへる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
雄大ゆうだいなる誕生
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たとへば日本にほん小島國せうたうごくであつて、氣候きこう温和をんわ山水さんすゐがいして平凡へいぼん別段べつだん高嶽峻嶺かうがくしゆんれい深山幽澤しんざんゆうたくといふものもない。すべてのものが小規模せうきもである。その我邦わがくに雄大ゆうだい化物ばけもののあらうはずはない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)