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長
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とこしな
ふりがな文庫
“
長
(
とこしな
)” の例文
熱情詩人、我がキヨルネルの如きは、この沈雄なる愛国の精神を体現して、其光輝
長
(
とこしな
)
へに有情の人を照らすの偉人と被存候。
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
美くしいもののなかに
横
(
よこた
)
わる人の顔も美くしい。
驕
(
おご
)
る眼は
長
(
とこしな
)
えに閉じた。驕る眼を
眠
(
ねむ
)
った藤尾の
眉
(
まゆ
)
は、額は、黒髪は、
天女
(
てんにょ
)
のごとく美くしい。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
まあ、この小舎は、ちょうどこの沙原を通る旅人の命を取るために
長
(
とこしな
)
えに解らない謎となって、この沙漠に建てられた小舎だということを知らない。
日没の幻影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
よろしくこの
家
(
や
)
にとどまってこの家運を守り給えば
長
(
とこしな
)
えに
龍王
(
ルー
)
の
享
(
う
)
け給うべき幸福は尽きることはございますまい
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
松が小島、離れ岩、山は浮世を隔てて水は
長
(
とこしな
)
えに清く、
漁唱菱歌
(
ぎょしょうりょうか
)
、
煙波縹緲
(
えんぱひょうびょう
)
として空はさらに
悠
(
ゆう
)
なり。倒れたる木に腰打ち掛けて光代はしばらく休らいぬ。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
▼ もっと見る
只〻塵の世に我が思ふ人の
長
(
とこしな
)
へに
汚
(
けが
)
れざれ。戀に望みを失ひても、世を
果敢
(
はか
)
なみし心の願、優に貴し。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
両人ともに言葉なくたゞ
平伏
(
ひれふ
)
して
拝謝
(
をが
)
みけるが、それより宝塔
長
(
とこしな
)
へに天に聳えて、西より
瞻
(
み
)
れば
飛檐
(
ひえん
)
或時素月を吐き、東より望めば勾欄夕に紅日を呑んで、百有余年の今になるまで
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
築地
(
つきぢ
)
二丁目の待合「浪の家」の帳場には、
女将
(
ぢよしやう
)
お才の
大丸髷
(
おほまるまげ
)
、頭上に
爛
(
きら
)
めく電燈目掛けて
煙草
(
たばこ
)
一と吹き、
長
(
とこしな
)
へに
嘯
(
うそぶ
)
きつゝ「議会の解散、戦争の
取沙汰
(
とりざた
)
、此の
歳暮
(
くれ
)
をマア
何
(
ど
)
うしろツて言ふんだねエ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
父はこの月の
七日
(
なぬか
)
、春雨さむき
朝
(
あした
)
、
逝水
(
せいすい
)
落花のあわれを示し給いて、おなじく九日の曇れる朝、
季叔
(
すえのおじ
)
の墓碑と相隣れる
処
(
ところ
)
を
長
(
とこしな
)
えに住むべき家と定め
給
(
たま
)
いつ。数うれば早し、きょうはその
二七日
(
ふたなぬか
)
なり。
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
人生の
須臾
(
しゅゆ
)
なるを痛んで、青年は一幅の画中に
長
(
とこしな
)
えにうら若き
彼
(
か
)
の少女を書き入れんと
眸
(
ひとみ
)
を森の彼方に送る
刹那
(
せつな
)
、いつもの悲しき、嬉しき歌の声がきこえた。
森の妖姫
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「その次にね——出ずるかと思えば
忽
(
たちま
)
ち消え、
逝
(
ゆ
)
いては
長
(
とこしな
)
えに帰るを忘るとありましたよ」細君は妙な顔をして「
賞
(
ほ
)
めたんでしょうか」と心元ない調子である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
世を捨てし昔の心を思ひ出せば、良しや天落ち地裂くるとも、今更驚く謂れやある。常なしと見つる此世に悲しむべき秋もなく、喜ぶべき春もなく、青山白雲
長
(
とこしな
)
へに青く長へに白し。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
両人ともに言葉なくただ
平伏
(
ひれふ
)
して
拝謝
(
おが
)
みけるが、それより宝塔
長
(
とこしな
)
えに天に
聳
(
そび
)
えて、西より
瞻
(
み
)
れば
飛檐
(
ひえん
)
ある時素月を吐き、東より望めば
勾欄
(
こうらん
)
夕べに紅日を呑んで、百有余年の今になるまで
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
児は、
長
(
とこしな
)
えに眠ってしまった。再び泣きはしない。このまま静かに地の中に入って眠るのだ。女は、木の葉の動くのを見て別に涙も出さなかった。女は、鍬を採った。
森の暗き夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あの顔を
種
(
たね
)
にして、あの椿の下に浮かせて、上から椿を幾輪も落とす。椿が
長
(
とこしな
)
えに落ちて、女が長えに水に浮いている感じをあらわしたいが、それが
画
(
え
)
でかけるだろうか。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
長
常用漢字
小2
部首:⾧
8画
“長”を含む語句
長椅子
成長
生長
長老
身長
船長
長閑
年長
長生
村長
長刀
酋長
長男
長座
長病
年長者
長者
長夜
長髯
長尻
...