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遣方
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やりかた
ふりがな文庫
“
遣方
(
やりかた
)” の例文
わが家の庭に立てる位の事なら差支えないがその男の
遣方
(
やりかた
)
はそれとなく生徒の父兄を説いて金を出させ地方の新聞記者を
籠絡
(
ろうらく
)
して
輿論
(
よろん
)
を
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その
遣方
(
やりかた
)
の実際を見ないで、結果ばかりを見ていうのである。その遣方の
善
(
よ
)
し
悪
(
あ
)
しなどは見ないで、唯結果ばかり見て批評をする。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何か家の
遣方
(
やりかた
)
に就いて、夫から叱られるようなことでも有ると、お雪は二日も三日も沈んで了う。眼に一ぱい涙を
溜
(
た
)
めていることも有る。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『尤も、忠志君の
遣方
(
やりかた
)
の方が理窟に合つてると僕は思ふ。窃盜と云ふものは、由來暗い所で
隱密
(
こつそり
)
やるべきものなんだからね。アハヽヽヽ。』
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
通例過ぎる
遣方
(
やりかた
)
じゃが、せんという事には
行
(
ゆ
)
かなかった。今云うた冥土の旅を、
可厭
(
いや
)
じゃと思うても、誰もしないわけには
行
(
ゆ
)
かぬようなものじゃ。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
流石
(
さすが
)
東京と実は
大
(
おおい
)
に感心させられた。その会合の
遣方
(
やりかた
)
を習ったら、九州へのいいお土産が出来ると考えたからであった。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「君の云う通りだ。ハヽヽヽ。然しね君、支倉のような
遣方
(
やりかた
)
では刑事ならずとも疑わざるを得んじゃないか」
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
愛神
(
あいしん
)
キユピツトに立小便をさせたなどは実に
他
(
た
)
人を眼中に置かない
遣方
(
やりかた
)
だと思ふ。
此
(
この
)
邸の裏から
直
(
す
)
ぐ対岸のピチ邸へ連接する
為
(
た
)
めヹツクチオ橋の中央に長い
石廊
(
せきらう
)
が架せられて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
金沢文庫、足利文庫など、いずれも火災少なき辺土に立てられたり。
件
(
くだん
)
の上山路村の仕方は、火災の防ぎ十分ならぬ田舎地方の処置としては、古人の所為に比してまことに拙き
遣方
(
やりかた
)
とやいわん。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
女と云ふものは兎角こんな
遣方
(
やりかた
)
をするものである。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
いつの世にもある
遣方
(
やりかた
)
です。そんな工合に
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
『尤も、忠志君の
遣方
(
やりかた
)
の方が理屈に合ツてると僕は思ふ。
窃盗
(
ぬすみ
)
と云ふものは、由来暗い所で
隠密
(
こつそり
)
やるべきものなんだからね。アハヽヽヽ。』
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
貴方のは人を助けて、自分で困ってる……
今日
(
こんにち
)
までの
遣方
(
やりかた
)
で行けば、こう成って来るのは自然の勢じゃ有りませんか。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
靖国神社のお祭の見世物小屋が一週間
前
(
ぜん
)
から用意せられるのに比べて、一箇月も前から永久の建築物かと思はれる位頑丈な普請を
念入
(
ねんいり
)
にして居るのは
矢張
(
やはり
)
独逸
(
ドイツ
)
流の
遣方
(
やりかた
)
であると思つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
玉脇
(
たまわき
)
がそれ
鍬
(
くわ
)
の
柄
(
つか
)
を
杖
(
つえ
)
に
支
(
つ
)
いて、ぼろ
半纏
(
ばんてん
)
に
引
(
ひっ
)
くるめの一件で、ああ
遣
(
や
)
って
大概
(
たいがい
)
な華族も及ばん暮しをして、交際にかけては
銭金
(
ぜにかね
)
を
惜
(
おし
)
まんでありますが、
情
(
なさけ
)
ない事には、
遣方
(
やりかた
)
が
遣方
(
やりかた
)
ゆえ、身分
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ええ、福ちゃんの旦那さんです。
彼方
(
あっち
)
の方の人達は大阪の
商人
(
あきんど
)
に近いネ。皆な
遣方
(
やりかた
)
がハゲしい」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
紳士 俺の旅行は、
冥土
(
めいど
)
の旅の如きものぢや。昔から、事が、
恁
(
こ
)
う云ふ事が起つて、其が破滅に近づく時は、誰もするわ。平凡な手段ぢや。通例過ぎる
遣方
(
やりかた
)
ぢやが、
為
(
せ
)
んと云ふ事には行かなかつた。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「僕に言わせると、ここの家の
遣方
(
やりかた
)
は丁度あの文晁だ……皆な
虚偽
(
うそ
)
だ……虚偽の
生活
(
くらし
)
だ……」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
小諸が盛んになるも、衰えるも、私の
遣方
(
やりかた
)
一つにあるのだ。その私が
事業
(
しごと
)
の記念だと言って、
爰
(
ここ
)
へこうして並べて、お前に見て喜んで貰おうとしているのに……アハハハハハハ
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「なんでも彼等は旦那や俺の
遣方
(
やりかた
)
が悪いようなことを言って——
無暗
(
むやみ
)
に金を
遣
(
つか
)
うようなことを言って——俺ばかり責める。若い者なぞに負けてはいないぞ。さあ——責めるなら責めて来い——」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
読者の
腹
(
おなか
)
の中に置かなければ承知しないといふ
遣方
(
やりかた
)
であつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
遣
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“遣方”で始まる語句
遣方無