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とおやま
ふりがな文庫
“
遠山
(
とおやま
)” の例文
見ない
振
(
ふり
)
、知らない振、雪の
遠山
(
とおやま
)
に向いて、……溶けて流れてと、唄っていながら、
後方
(
うしろ
)
へ来るのが自然と分るね、鹿の寄るのとは違います。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのまた奥の方には、めったに好くは見えないが、
微
(
かすか
)
に
遠山
(
とおやま
)
のぼんやりした
輪廓
(
りんかく
)
が現われている。家の前には階段がある。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
私のことに興味を感ずる一例は、同じ信州でも南端の伊那
遠山
(
とおやま
)
に、正月七日のサガ流しという行事があることである。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ただ遠いかなたに
遠山
(
とおやま
)
がうすく青くかすんでいた。
果
(
は
)
てしもない空の中にわたしの目はあてどなく
迷
(
まよ
)
うのであった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
けれども、汽車の窓から見る山野の色は、さすがに荒涼たるもので、ところどころに小家のように積んである
新藁
(
しんわら
)
の姿は、
遠山
(
とおやま
)
の雪とともにさびしい景色の一つであります。
深夜の電話
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
▼ もっと見る
例令
(
たとえ
)
遠山
(
とおやま
)
は雪であろうとも、武蔵野の霜や氷は厚かろうとも、
落葉木
(
らくようぼく
)
は皆
裸
(
はだか
)
で松の
緑
(
みどり
)
は黄ばみ杉の緑は
鳶色
(
とびいろ
)
に
焦
(
こ
)
げて居ようとも、
秩父
(
ちちぶ
)
颪
(
おろし
)
は寒かろうとも、雲雀が鳴いて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
はてしもなくつづく
浅霞
(
あさかすみ
)
……
水
(
みず
)
と
空
(
そら
)
との
融
(
と
)
け
合
(
あ
)
うあたりにほのぼのと
浮
(
う
)
く
遠山
(
とおやま
)
の
影
(
かげ
)
……それはさながら一
幅
(
ぷく
)
の
絵巻物
(
えまきもの
)
をくりひろげたような、
実
(
じつ
)
に
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
えぬ
絶景
(
ぜっけい
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ここは南の国で、空には濃き
藍
(
あい
)
を流し、海にも濃き藍を流してその中に
横
(
よこた
)
わる
遠山
(
とおやま
)
もまた濃き藍を含んでいる。只春の波のちょろちょろと磯を洗う端だけが際限なく長い一条の白布と見える。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
遠山
(
とおやま
)
に日の当りたる枯野かな
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
長い通りの突当りには、火の見の
階子
(
はしご
)
が、
遠山
(
とおやま
)
の霧を破って、
半鐘
(
はんしょう
)
の形
活
(
い
)
けるがごとし。……火の用心さっさりやしょう、
金棒
(
かなぼう
)
の音に夜更けの景色。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たとえば信州
遠山
(
とおやま
)
では、粟などの
搗
(
つ
)
いて外皮を
剥
(
む
)
いたものもヨネである(方言六巻一号)。天竜川を越えて三河の
北設楽
(
きたしだら
)
郡でも、稗、麦ともに皮をとって
精
(
しら
)
げることをヨネスルという。
食料名彙
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
辿
(
たど
)
る姿は、松にかくれ、草にあらわれ、坂に
沈
(
しず
)
み、峰に浮んで、その峰つづきを
畝々
(
うねうね
)
と、漆のようなのと、
真蒼
(
まさお
)
なると、
赭
(
しゃ
)
のごときと、中にも雪を頂いた、雲いろいろの
遠山
(
とおやま
)
に添うて
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遠山
(
とおやま
)
の形が
夕靄
(
ゆうもや
)
とともに近づいて、
麓
(
ふもと
)
の影に暗く住む
伏家
(
ふせや
)
の数々、
小商
(
こあきない
)
する店には、
早
(
は
)
や
佗
(
わび
)
しい
灯
(
ひ
)
が
点
(
とも
)
れたが、
此
(
こ
)
の
小路
(
こうじ
)
にかゝると、
樹立
(
こだち
)
に深く、壁に
潜
(
ひそ
)
んで、一
燈
(
とう
)
の影も
漏
(
も
)
れずに
寂
(
さみ
)
しい。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“遠山”の意味
《名詞》
遠いところに見える山。
(出典:Wiktionary)
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“遠山”で始まる語句
遠山左衛門尉
遠山雲如
遠山金四郎
遠山台
遠山川
遠山影
遠山様
遠山蔭
遠山藤
遠山紅葉