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談柄
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だんぺい
ふりがな文庫
“
談柄
(
だんぺい
)” の例文
唯、
何時
(
いつ
)
もよりも口数が少くなつて、ややもすると
談柄
(
だんぺい
)
を失しがちである。そこで津藤は、これを
嫖客
(
へうかく
)
のかかりやすい
倦怠
(
アンニユイ
)
だと解釈した。
孤独地獄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
青木外務大臣夫人の賞品
七宝
(
しっぽう
)
花瓶とは、馬見所の玄関に飾られ、誰人がこの名誉の賞品をうべきかは、当場所第一の
談柄
(
だんぺい
)
なりき。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
通を曲って横町へ出て、なるべく、話の
為好
(
しい
)
い
閑
(
しずか
)
な場所を選んで行くうちに、何時か
緒口
(
いとくち
)
が付いて、思うあたりへ
談柄
(
だんぺい
)
が落ちた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さるにても、季節中の魅惑たる花合戦、花馬車競技も、もはや旬日の間に迫ったることとて、衆口
談柄
(
だんぺい
)
は期せずしてその
品隙
(
とりざた
)
に移って行く。
ノンシャラン道中記:04 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
談柄
(
だんぺい
)
必ず肉体の区域に入りて、見苦しく聞き苦しきものは十中の七、八なるべし。
畢竟
(
ひっきょう
)
我が人文のなお未だ
鄙陋
(
ひろう
)
を免れざるの証として見るべきものなり。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
夕飯もてなされて後、燈下の
談柄
(
だんぺい
)
は歌の事で持ちきった。四つの
額
(
ひたい
)
は互に向きおうて居る。
車上の春光
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
第六囘
(
だいろくくわい
)
に
至
(
いた
)
りて
始
(
はじ
)
めて、
殺人
(
さつじん
)
の
大罪
(
だいざい
)
なるか
否
(
いな
)
かの
疑問
(
ぎもん
)
を
飮食店
(
いんしよくてん
)
の
談柄
(
だんぺい
)
より
引起
(
ひきおこ
)
し、
遂
(
つい
)
に
一刹那
(
いつせつな
)
を
浮
(
うか
)
び
出
(
いだ
)
さしめて、この
大學生
(
だいがくせい
)
何
(
なん
)
の
仇
(
あだ
)
もなき
高利貸
(
こうりかし
)
を
虐殺
(
ぎやくさつ
)
するに
至
(
いた
)
る。
第
(
だい
)
七
囘
(
くわい
)
は
其
(
その
)
綿密
(
めんみつ
)
なる
記事
(
きじ
)
なり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
通
(
とほり
)
を
曲
(
まが
)
つて横町へ
出
(
で
)
て、成る
可
(
べ
)
く、
話
(
はなし
)
の
為好
(
しい
)
い
閑
(
しづか
)
な場所を撰んで行くうちに、
何時
(
いつ
)
か
緒口
(
いとくち
)
が
付
(
つ
)
いて、思ふあたりへ
談柄
(
だんぺい
)
が落ちた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は、
談柄
(
だんぺい
)
を、生活難に落して、自分の暮しの苦しさを、わざわざ誇張して、話したのは、
完
(
まった
)
く、この済まないような心もちに、
煩
(
わずら
)
わされた結果である。
仙人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ただそのうちのどこかにおちつかないところがある。それが不安である。歩きながら考えると、いまさき庭のうちで、野々宮と美禰子が話していた
談柄
(
だんぺい
)
が近因である。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
俊助は何を
措
(
お
)
いても、この場合この話題が避けたかった。そこで彼は大井の言葉がまるで耳へはいらないように、また
談柄
(
だんぺい
)
をお藤さんなる給仕女の方へ持って行った。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
兎に角、
談柄
(
だんぺい
)
はそれからそれへと移つて、酒も
肴
(
さかな
)
も
残少
(
のこりずくな
)
になつた時分には、
某
(
なにがし
)
と云ふ侍
学生
(
がくしやう
)
が、
行縢
(
むかばき
)
の片皮へ、両足を入れて馬に乗らうとした話が、一座の興味を集めてゐた。
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それが不安である。
歩
(
ある
)
きながら考へると、
今
(
いま
)
さき
庭
(
には
)
のうちで、野々宮と美禰子が話してゐた
談柄
(
だんぺい
)
が近因である。三四郎は此不安の念を
駆
(
か
)
る為めに、
二人
(
ふたり
)
の談柄を再び
剔抉
(
ほぢくり
)
出して見たい気がした。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おや、あれは君、
辰子
(
たつこ
)
さんに似ているじゃないか。」と、意外な方面へ
談柄
(
だんぺい
)
を落した。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
談
常用漢字
小3
部首:⾔
15画
柄
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“談”で始まる語句
談
談話
談合
談判
談林
談敵
談義
談話室
談笑
談洲楼焉馬