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親船
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おやぶね
ふりがな文庫
“
親船
(
おやぶね
)” の例文
家来は、ひとに気づかれないように、
親船
(
おやぶね
)
からそっと
小舟
(
こぶね
)
をおろすと、すぐさまそれにのりこんで、
主人
(
しゅじん
)
のあとを
追
(
お
)
ってこいでいきました。
三枚のヘビの葉
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「いや、長崎から
越後港
(
えちごみなと
)
へ、
南蛮呉服
(
なんばんごふく
)
をつんできた
親船
(
おやぶね
)
が、この
沖
(
おき
)
にとまってるんでさ。どうせ南へ帰る
便船
(
びんせん
)
だ、えんりょなく乗っていくがいい」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
通
(
とお
)
り、あっしがふところに
預
(
あず
)
かっておりやすから、どうか
親船
(
おやぶね
)
に
乗
(
の
)
った
気
(
き
)
で、おいでなすっておくんなせえやし
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
懐中ものまで
剥取
(
はぎと
)
られた上、
親船
(
おやぶね
)
、
端舟
(
はしけ
)
も、
斧
(
おの
)
で、ばら/\に
摧
(
くだ
)
かれて、
帆綱
(
ほづな
)
、
帆柱
(
ほばしら
)
、離れた釘は、
可忌
(
いまわし
)
い
禁厭
(
まじない
)
、
可恐
(
おそろし
)
い
呪詛
(
のろい
)
の用に、
皆
(
みんな
)
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つたんです。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それにわれわれは
母船
(
ぼせん
)
を失った。あのとおり
親船
(
おやぶね
)
のシー・タイガ号はまっぷたつにちょん切られて、もう船の役をしない。われわれはこれから恐竜島に缶詰めだ。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
翌十九年、大阪船と月も日もおなじ正月の五日に、またもや
親船
(
おやぶね
)
を壊した舟子が流れ着いた。
藤九郎の島
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
すると牧君は自分の方は伸ばせば幾らでも伸びると
気丈夫
(
きじょうぶ
)
な返事をしてくれたので、たちまち
親船
(
おやぶね
)
に乗ったような心持になって、それじゃア少し伸ばしていただきたいと頼んでおきました。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
篠懸
(
すゞかけ
)
の木よ、總大將が乘る
親船
(
おやぶね
)
の
帆檣
(
ほばしら
)
、遠い國の戀に向ふ
孕
(
はら
)
んだ帆——男の
篠懸
(
すゞかけ
)
は
種子
(
たね
)
を風に
播
(
ま
)
く
石弩
(
いしゆみ
)
の如く、
甲
(
よろひ
)
を通し腹を刺す——女の
篠懸
(
すゞかけ
)
は
始終
(
しじゆう
)
東をばかり氣にしてゐて
定業
(
ぢやうごふ
)
を
瞑想
(
めいさう
)
する
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
それからまもなく、
親船
(
おやぶね
)
がかえってきました。この人でなしの女は、いかにもかなしそうな顔つきをして、王さまのまえにやってきました。
三枚のヘビの葉
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
いっぽう、あやしげな
親船
(
おやぶね
)
を逃げだした鼻かけ
卜斎
(
ぼくさい
)
の
八風斎
(
はっぷうさい
)
。たちまち
加賀
(
かが
)
の
美川
(
みかわ
)
ヶ浜に上陸して、陸路
越前
(
えちぜん
)
の
北
(
きた
)
ノ
庄
(
しょう
)
へ帰りつき、主人
勝家
(
かついえ
)
に、
裾野陣
(
すそのじん
)
のありさまを残りなく復命した。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
抵抗
(
てむかひ
)
も
成
(
な
)
らず
裸
(
はだか
)
にされて、
懷中
(
くわいちう
)
ものまで
剥取
(
はぎと
)
られた
上
(
うへ
)
、
親船
(
おやぶね
)
、
端舟
(
はしけ
)
も、
斧
(
をの
)
で、ばら/\に
摧
(
くだ
)
かれて、
帆綱
(
ほづな
)
、
帆柱
(
ほばしら
)
、
離
(
はな
)
れた
釘
(
くぎ
)
は、
可忌
(
いまはし
)
い
禁厭
(
まじなひ
)
、
可恐
(
おそろし
)
い
呪詛
(
のろひ
)
の
用
(
よう
)
に、
皆
(
みんな
)
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つたんです。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
親
常用漢字
小2
部首:⾒
16画
船
常用漢字
小2
部首:⾈
11画
“親”で始まる語句
親
親戚
親父
親爺
親仁
親子
親切
親方
親類
親身