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薪屋
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まきや
ふりがな文庫
“
薪屋
(
まきや
)” の例文
文「御重役でもなんでも、今はずう/″\しいのなんて、米屋でも
薪屋
(
まきや
)
でも、魚屋でも何でも、物を持って
往
(
ゆ
)
く気づかいありません」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
取する者も無なりしにぞ長庵今は
朝暮
(
あさゆふ
)
の
煙
(
けぶり
)
も
立兼
(
たちかね
)
るより
所々
(
しよ/\
)
方々
(
はう/″\
)
手の屆く丈
借
(
かり
)
盡して返すことをせざれば酒屋米屋
薪屋
(
まきや
)
を始め
何商賣
(
なにしやうばい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
炭団
(
たどん
)
を干した
薪屋
(
まきや
)
の露地で、下駄の歯入れがコツコツと
行
(
や
)
るのを見ながら、二三人共同栓に
集
(
あつま
)
った、かみさん一人、これを聞いて
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
妹といっしょに家を持っている事はこの時始めて知った。
兄妹
(
きょうだい
)
して
薪屋
(
まきや
)
の二階を一間借りて、妹は毎日
刺繍
(
ぬいとり
)
の
稽古
(
けいこ
)
に
通
(
かよ
)
っているのだそうである。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから
薪屋
(
まきや
)
の
金右衛門
(
きんゑもん
)
さんの家までは、もう半里程だつたやうに思ひます。畑の間の路が少し広がつたと思ひますと、もう
其処
(
そこ
)
が私の行く家の座敷の庭だつたのです。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
さて坂を下り
尽
(
つく
)
すと両側に居並ぶ駄菓子屋荒物屋
煙草屋
(
たばこや
)
八百屋
(
やおや
)
薪屋
(
まきや
)
なぞいずれも見すぼらしい
小売店
(
こうりみせ
)
の間に米屋と醤油屋だけは、柱の太い昔風の
家構
(
いえがまえ
)
が何となく憎々しく見え
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
あとに残されたのは町内の
薪屋
(
まきや
)
の亭主五兵衛と小間物屋の亭主伊助で、この二人は信者のうちの有力者と見なされ、いわゆる
講親
(
こうおや
)
とか
先達
(
せんだつ
)
とかいう格で万事の
胆煎
(
きもい
)
りをしていたのである。
半七捕物帳:21 蝶合戦
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
米屋、炭屋、
薪屋
(
まきや
)
なども通いを持って来た。父親は隣近所の組合を一軒一軒回って歩いた。清三は午後から二階の六畳に
腹
(
はら
)
ばいになって、東京や行田や熊谷の友人たちに転居の
端書
(
はがき
)
を書いた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
車庫の角には右に
薪屋
(
まきや
)
左側に材木屋があった。群集はその前まで来ると、町をはさんで警察と相対した。警察の前には白服の警官が整列していた。電灯もないやみをすかして群集はざわめいた。
四谷、赤坂
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
私はその中を
独
(
ひと
)
り狂気のようになって歩いていた。そして山吹町の中ほどにある、とある
薪屋
(
まきや
)
のところまで
戻
(
もど
)
って来ると、何というわけもなくはじめて
傍
(
そば
)
にある
物象
(
ものかたち
)
が眼につくようになって来た。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
炭屋、
薪屋
(
まきや
)
、石炭揚場の間から蹴出しを飜して顕われたんでは、黒雲の中にひらめく風情さ。羅生門に
髣髴
(
ほうふつ
)
だよ。……その竹如意はどうだい。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
家
(
うち
)
の人達は無事ですか、どこへ行きましたかと聞いたら、
薪屋
(
まきや
)
の
御上
(
おかみ
)
さんが、昨晩の十二時頃に
崖
(
がけ
)
が
崩
(
くず
)
れましたが、幸いにどなたも
御怪我
(
おけが
)
はございません。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私を
可哀想
(
かわいそう
)
だとお思いなすったら、このお邸のおさんどん、いくや、いくや、とおっしゃってね、豆腐屋、
薪屋
(
まきや
)
の方角をお教えなすって下さいまし。
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
払
(
はらい
)
はもう
皆
(
みんな
)
済んだのかい」と宗助は立ちながら御米に聞いた。御米はまだ
薪屋
(
まきや
)
が一軒残っていると答えた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
拂
(
はらひ
)
はもう
皆
(
みんな
)
濟
(
す
)
んだのかい」と
宗助
(
そうすけ
)
は
立
(
た
)
ちながら
御米
(
およね
)
に
聞
(
き
)
いた。
御米
(
およね
)
はまだ
薪屋
(
まきや
)
が一
軒
(
けん
)
殘
(
のこ
)
つてゐると
答
(
こた
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
薪
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“薪”で始まる語句
薪
薪炭
薪割
薪木
薪水
薪雑棒
薪小屋
薪山
薪倉
薪束