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薄淋
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うすさび
ふりがな文庫
“
薄淋
(
うすさび
)” の例文
何
(
なに
)
となく
薄淋
(
うすさび
)
しくなつた
浪
(
なみ
)
の
面
(
おも
)
を
眺
(
なが
)
めながら、
胸
(
むね
)
の
鏡
(
かゞみ
)
に
手
(
て
)
を
措
(
を
)
くと、
今度
(
こんど
)
の
航海
(
かうかい
)
は
初
(
はじめ
)
から、
不運
(
ふうん
)
の
神
(
かみ
)
が
我等
(
われら
)
の
身
(
み
)
に
跟尾
(
つきまと
)
つて
居
(
を
)
つた
樣
(
やう
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
何処
(
どこ
)
か近くの家で
百万遍
(
ひゃくまんべん
)
の念仏を称え始める声が、ふと物哀れに耳についた。蘿月は
唯
(
たっ
)
た一人で
所在
(
しょざい
)
がない。退屈でもある。
薄淋
(
うすさび
)
しい心持もする。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
持病といふのはそれかと切込まれて、まあそんな処でござんせう、お医者様でも草津の湯でもと
薄淋
(
うすさび
)
しく笑つてゐるに、御本尊を拝みたいな
俳優
(
やくしや
)
で行つたら誰れの処だといへば
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何処
(
どこ
)
か近くの家で
百萬遍
(
ひやくまんべん
)
の
念仏
(
ねんぶつ
)
を
称
(
とな
)
へ始める声が、ふと
物哀
(
ものあは
)
れに耳についた。
蘿月
(
らげつ
)
は
唯
(
たつ
)
た一人で
所在
(
しよざい
)
がない。
退屈
(
たいくつ
)
でもある。
薄淋
(
うすさび
)
しい
心持
(
こゝろもち
)
もする。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
持病
(
ぢびやう
)
といふのは
夫
(
そ
)
れかと
切込
(
きりこ
)
まれて、まあ
其樣
(
そん
)
な
處
(
ところ
)
でござんせう、お
醫者樣
(
ゐしやさま
)
でも
草津
(
くさつ
)
の
湯
(
ゆ
)
でもと
薄淋
(
うすさび
)
しく
笑
(
わら
)
つて
居
(
ゐ
)
るに、
御本尊
(
ごほんぞん
)
を
拜
(
おが
)
みたいな
俳優
(
やくしや
)
で
行
(
い
)
つたら
誰
(
た
)
れの
處
(
ところ
)
だといへば
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
魂祭
(
たまゝつ
)
り
過
(
す
)
ぎて
幾日
(
いくじつ
)
、まだ
盆提燈
(
ぼんぢようちん
)
のかげ
薄淋
(
うすさび
)
しき
頃
(
ころ
)
、
新開
(
しんかい
)
の
町
(
まち
)
を
出
(
いで
)
し
棺
(
くわん
)
二つあり、一つは
駕
(
かご
)
にて一つはさし
擔
(
かつ
)
ぎにて、
駕
(
かご
)
は
菊
(
きく
)
の
井
(
ゐ
)
の
隱居處
(
いんきよじよ
)
よりしのびやかに
出
(
いで
)
ぬ、
大路
(
おほぢ
)
に
見
(
み
)
る
人
(
ひと
)
のひそめくを
聞
(
き
)
けば
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
淋
漢検準1級
部首:⽔
11画
“薄”で始まる語句
薄
薄暗
薄紅
薄明
薄暮
薄縁
薄荷
薄闇
薄汚
薄氷