蓄積ちくせき)” の例文
「いや。病院に入ってから、毎日服んだ。治療のために服まされたんだ。毎日のことだから、だんだん蓄積ちくせきして、酩酊めいてい状態になるんだね」
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
さうして以前いぜんから所有しよいう政府せいふ日本銀行にほんぎんかうぶんくはへると三億圓おくゑん在外正貨ざいぐわいせいくわ蓄積ちくせきすることが出來できたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
見るものすべてが流通無碍むげになっただけ、それだけ女性全般の中に蓄積ちくせきされたものがない様に思います。
新時代女性問答 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
以外の物質は、みなすべて、よくこれを摂取せっしゅして、脂肪しぼうもしくは蛋白質たんぱくしつとなし、その体内に蓄積ちくせきす。
フランドン農学校の豚 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それはもちろん主としてその実験室に働く研究者の頭の中に蓄積ちくせきして来るのであるが、教室員の頭脳の中ばかりでなく、実験室内の机とか細々こまごました器械とかいうものにまで
実験室の記憶 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
すべての文学者ぶんがくしや消費せうひする筆墨料ひつぼくれう徴収ちようしうすれば慈善じぜん病院びやうゐん三ツ四ツをつくる事けつしてかたきにあらず、すべての文学者ぶんがくしや喰潰くひつぶこめにく蓄積ちくせきすれば百度ひやくたび饑饉ききんきたるともさらおそるゝにらざるべく
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
地震ぢしんおこさうといふちから大陸たいりくまた其周圍そのしゆういおいては次第しだい蓄積ちくせきすることをゆるされても、ふか海底かいていとく地球ちきゆう内部ないぶおいては、たとひかようなちからはたらくことがあつても、かぜやなぎたとひとほ
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
法律にそむかぬ以上は如何なる方法によって、如何なる額にかさまるともとみ蓄積ちくせき占有せんゆうすることを許すがために、富む者はますます富むの傾向あることは、今ここで述べるを要しない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)