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蒼黒
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あをぐろ
ふりがな文庫
“
蒼黒
(
あをぐろ
)” の例文
背景に
船
(
ふね
)
と
檣
(
ほばしら
)
と
帆
(
ほ
)
を大きく
描
(
か
)
いて、其
余
(
あま
)
つた所に、
際立
(
きはだ
)
つて花やかな
空
(
そら
)
の
雲
(
くも
)
と、
蒼黒
(
あをぐろ
)
い
水
(
みづ
)
の色をあらはした
前
(
まへ
)
に、
裸体
(
らたい
)
の労働者が四五人ゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
蒼黒
(
あをぐろ
)
い顔で、髪は枯草のやうに乱れ、額に大きな
黒子
(
ほくろ
)
があつた。白いYシャツに、灰色の
洋袴
(
ズボン
)
をはいて素足である。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
見ますとそれは大きな空の宝石のやうに
橙
(
だいだい
)
や緑やかゞやきの粉をちらしまぶしさに眼をつむりますと今度はその
蒼黒
(
あをぐろ
)
いくらやみの中に青あをと光って見えるのです
ひかりの素足
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
蒼黒
(
あをぐろ
)
いむくんだ顏を見ただけでも、これはなか/\の容體といふことが、素人の平次にもわかります。
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
空
(
そら
)
の
明
(
あか
)
るみを
映
(
うつ
)
す
田
(
た
)
の
水
(
みづ
)
や、
處處
(
ところどころ
)
の
雜木林
(
ざふきばやし
)
の
影
(
かげ
)
が
蒼黒
(
あをぐろ
)
い
夜
(
よる
)
の
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
に
浮
(
う
)
き
上
(
あが
)
つて
見
(
み
)
え
出
(
だ
)
した。
私
(
わたし
)
はそれをぢつと
見詰
(
みつ
)
めてゐる
内
(
うち
)
に、
何
(
なん
)
となく
感傷的
(
かんしやうてき
)
な
氣分
(
きぶん
)
に
落
(
お
)
ちて
來
(
き
)
た。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
腹に虫でも
湧
(
わ
)
いてゐるやうな、
蒼黒
(
あをぐろ
)
い眼であつた。都和井のぶと云つた。良人が戦死して、九年になるのださうだ。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
其所
(
そこ
)
には
高
(
たか
)
さ二
尺
(
しやく
)
幅
(
はゞ
)
一
尺
(
しやく
)
程
(
ほど
)
の
木
(
き
)
の
枠
(
わく
)
の
中
(
なか
)
に、
銅鑼
(
どら
)
の
樣
(
やう
)
な
形
(
かたち
)
をした、
銅鑼
(
どら
)
よりも、ずつと
重
(
おも
)
くて
厚
(
あつ
)
さうなものが
懸
(
かゝ
)
つてゐた。
色
(
いろ
)
は
蒼黒
(
あをぐろ
)
く
貧
(
まづ
)
しい
灯
(
ひ
)
に
照
(
て
)
らされてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
襖を開けると、加野は汚れた手拭で鉢巻きをして毛布を
被
(
かぶ
)
つて寝てゐた。裸電気が、まるで氷の袋のやうに、加野の頭の上でゆらゆらゆれてゐる。むくんで
蒼黒
(
あをぐろ
)
い顔をしてゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
“蒼”で始まる語句
蒼
蒼白
蒼空
蒼蠅
蒼褪
蒼然
蒼々
蒼穹
蒼味
蒼茫