落語らくご)” の例文
これ面白おもしろい、近頃ちかごろ落語らくご大分だいぶ流行はやるから、何所どこかで座料ざれうとつ内職ないしよくにやつたら面白おもしろからう、事によつたら片商売かたしやうばいになるかもしれない。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかし落語らくごは家族達と一しよに相生町あひおひちやう広瀬ひろせだの米沢町よねざはちやう日本橋にほんばし区)の立花家たちばなやだのへ聞きに行つたものである。殊に度々たびたび行つたのは相生町の広瀬だつた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それは、ちかくのよせ(落語らくご講談こうだんなどのかかる小屋こや)のたいこのおとで、かえりのひとがぞろぞろでてきたので、朝吹あさぶきはもうどうすることもできませんでした。
苦しさだの、高邁こうまいだの、純潔だの、素直だの、もうそんなこと聞きたくない。書け。落語らくごでも、一口噺ひとくちばなしでもいい。書かないのは、例外なく怠惰である。おろかな、おろかな、盲信である。
懶惰の歌留多 (新字新仮名) / 太宰治(著)
俵的は落語らくごというものを実際には一ぺんもきいたことがないにもかかわらず、ラジオの落語をきいてから落語がすっかり好きになって、いつのまにか言葉つきの真似まねをするようになっている。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
大食の習慣しふかん今日にいたりても未だ全くきうふくせざるなり、食事おはればれいにより鹽原巡査の落語らくごあり、衆拍手して之をく、為めにらうなぐさめて横臥わうぐわすれば一天すみの如く、雨滴うてき点々てん/\木葉を乱打らんだし来る
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
驚かせし事枚擧まいきよするにいとまあらざるほど多き物から中にも殊にすぐれたるは天一ばう裁判さいばんなり之は物の本にも作り又芝居しばゐにても脚色しくみ講談かうだん落語らくごは更にも言ず其他種々さま/″\の物にも見え其の筋に大同小異だいどうせういありと雖も其主意とする所は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夫切それきりたえ此落語このらくごふものはなかつたのでございます。それよりくだつて天明てんめいねんいたり、落語らくごふものが再興さいこういたしました。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「寄席的? 落語らくごでもやらせるのかね?」
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
毎月まいげつやらうとふ事に相成あひなり蜀山人しよくさんじんあるひ数寄屋河岸すきやがし真顔まがほでございますの、談洲楼焉馬だんしゆうろうえんばなどゝすぐれた狂歌師きやうかしつて、たゞ落語らくごこしらへたまゝひらいても面白おもしろくないから
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)