草取くさとり)” の例文
富太郎金三郎深田の葦刈よしかり。女中三人は午前つけ。午後裏畑うらはた草取くさとり。伝太郎をたのんで十一俵買。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
其れを取囲とりかこんだ一町四方もある広い敷地は、桑畑や大根畑に成つて居て、出入でいりの百姓が折々をり/\植附うゑつけ草取くさとりに来るが、てらの入口の、昔は大門だいもんがあつたと云ふ、いしずゑの残つて居るあたりから
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
晝間ひるま納屋なやなか鎭守ちんじゆもり日蔭ひかげばかりをうろつくやつ夜遊よあそびはまをすまでもなし。いろしろいのを大事だいじがつて、田圃たんぼとほるにも編笠あみがさでしよなりとる。炎天えんてん草取くさとりなどはおもひもらない。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
卯平うへいなつになれば何處どこでもいそがしい麥扱むぎこき陸稻をかぼ草取くさとりやとはれた。かれ自分じぶん村落むらはなれて五も六とまつてかへらぬことがある。卯平うへいにはさきからさきあるいてることがかへつさいはひであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
護謨ゴムの苗木は十八尺四方の中に一本を植ゑる。採収は六年からだが草取くさとりは三年間でよい。肥料は少しも要しないでよく発育するさうだ。採収は六箇月すれば六箇月休止せねばならない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
次いで三年間の草取くさとりに使用する人夫の賃金が一万五千円乃至ないし二万円、これは継続費だ。其れで二万円乃至ないし二万五千円の資本が無くては百エエカアの植林は出来ないと云ふ事に現在は相場がきまつて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)