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自然石
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じねんせき
ふりがな文庫
“
自然石
(
じねんせき
)” の例文
自然石
(
じねんせき
)
の
形状
(
かたち
)
乱れたるを幅一間に行儀よく並べて、
錯落
(
さくらく
)
と平らかに敷き詰めたる
径
(
こみち
)
に落つる足音は、
甲野
(
こうの
)
さんと
宗近
(
むねちか
)
君の足音だけである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
脱いだ合羽を片腕に垂らして、お米のほうへ目をくれながら、
自然石
(
じねんせき
)
の石段を
上
(
のぼ
)
って、向うの役宅の庭へ廻って行った。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それがさ、石地蔵と申し伝えるばかり、よほどのあら刻みで、まず
坊主形
(
ぼうずなり
)
の
自然石
(
じねんせき
)
と言うても
宜
(
よろ
)
しい。妙に
御顔
(
おかお
)
の尖がった処が、拝むと
凄
(
すご
)
うござってな。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
高さ二尺ばかりなる
自然石
(
じねんせき
)
の
方
(
かく
)
にしてうつくしき石塔一ツ流れきたる、
実
(
まこと
)
に
彫刻
(
てうこく
)
せるごとくにて
天然
(
てんねん
)
の物なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
周囲
(
ぐるり
)
には
程
(
ほど
)
よく
樹木
(
じゅもく
)
が
生
(
は
)
えて、
丁度
(
ちょうど
)
置石
(
おきいし
)
のように
自然石
(
じねんせき
)
があちこちにあしらってあり、そして一
面
(
めん
)
にふさふさした
青苔
(
あおごけ
)
がぎっしり
敷
(
し
)
きつめられて
居
(
い
)
るのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
三人が、少し歩き疲れて、片陰の大きい
楢
(
なら
)
の
樹
(
き
)
の下の
自然石
(
じねんせき
)
の上に、腰を降した時だった。先刻から一言も、口を利かなかった瑠璃子が、突然青年に向って話し出した。しかも可なり真剣な声で。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
可成り広い池の
対岸
(
むこうがわ
)
に、
自然石
(
じねんせき
)
を畳んで、幅二間、高さ四間ほどの岩組とし、そこへ、幅さだけの滝を落としているのであって、
滝壺
(
たきつぼ
)
からは、霧のような
飛沫
(
しぶき
)
が立っていたが、池の水は
平坦
(
たいら
)
に澄返り
甲州鎮撫隊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
里道との辻に立つた
自然石
(
じねんせき
)
の常夜燈が、寂しく夕陽を浴びてゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
一年ほどして、そこに
自然石
(
じねんせき
)
の石碑が建てられた。表には林清三君之墓、下に
辱知有志
(
じょくちゆうし
)
と
刻
(
きざ
)
んであった。荻生さんと
郁治
(
いくじ
)
とが奔走して建てたので、その
醵金者
(
きょきんしゃ
)
の中には美穂子も雪子もしげ子もあった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
墓所といっても、大きな栗の木の下に、丸い
自然石
(
じねんせき
)
が一つ、ぽつねんとあるだけで、ほかに
塔婆
(
とうば
)
一つない山だった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高さ二尺ばかりなる
自然石
(
じねんせき
)
の
方
(
かく
)
にしてうつくしき石塔一ツ流れきたる、
実
(
まこと
)
に
彫刻
(
てうこく
)
せるごとくにて
天然
(
てんねん
)
の物なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
永谷寺へ
入院
(
じゆゐん
)
の
住職
(
じゆうしよく
)
あれば此
淵
(
ふち
)
へ
血脉
(
けちみやく
)
を
投
(
な
)
げ入るゝ事
先例
(
せんれい
)
なり。さて此永谷寺の住職
遷化
(
せんげ
)
の
前年
(
ぜんねん
)
、此
淵
(
ふち
)
より
墓
(
はか
)
の石になるべき
円
(
まる
)
き
自然石
(
じねんせき
)
を一ツ
岸
(
きし
)
に
出
(
いだ
)
す、
是
(
これ
)
を
無縫塔
(
ふほうたふ
)
と名づけつたふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
永谷寺へ
入院
(
じゆゐん
)
の
住職
(
じゆうしよく
)
あれば此
淵
(
ふち
)
へ
血脉
(
けちみやく
)
を
投
(
な
)
げ入るゝ事
先例
(
せんれい
)
なり。さて此永谷寺の住職
遷化
(
せんげ
)
の
前年
(
ぜんねん
)
、此
淵
(
ふち
)
より
墓
(
はか
)
の石になるべき
円
(
まる
)
き
自然石
(
じねんせき
)
を一ツ
岸
(
きし
)
に
出
(
いだ
)
す、
是
(
これ
)
を
無縫塔
(
ふほうたふ
)
と名づけつたふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
“自然”で始まる語句
自然
自然薯
自然木
自然生
自然界
自然淘汰
自然物
自然法爾
自然現象
自然霊