肱掛窓ひぢかけまど)” の例文
きたな四疊半よでふはん肱掛窓ひぢかけまどに、ひぢどころか、こしけて、あがるやうにして、るのをつて、くるまおとみゝましたことがある。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
佛壇につゞきて棚のやうなものを調しつらへ、これに歌集または料紙箱れうしばこ、硯など色々あり、下のかたは壁にてその前に爐を設く。下のかた折曲りて竹の肱掛窓ひぢかけまどあり。
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
如何いかんとなれば、座敷ざしき肱掛窓ひぢかけまどや、欄干らんかんから、かゝる光景くわうけいられるのは、ねんたゞ一兩度いちりやうどださうである。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そよとのかぜもがなで、明放あけはなした背後うしろ肱掛窓ひぢかけまど振向ふりむいて、そでのブーンとくのをはらひながら、二階住にかいずみ主人あるじ唯吉たゞきちが、六でふやがてなかばにはびこる、自分じぶん影法師越かげぼふしごしにかして
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ひさしはづれに、階下した住居すまひの八でふ縁前えんさき二坪ふたつぼらぬ明取あかりとりの小庭こには竹垣たけがきひとへだてたばかり、うら附着くツついた一けん二階家にかいや二階にかいおな肱掛窓ひぢかけまどが、みなみけて、此方こなたとはむきちがへて
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)