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竹箒
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たけぼうき
ふりがな文庫
“
竹箒
(
たけぼうき
)” の例文
これも
竹箒
(
たけぼうき
)
でドブドロ掻きまわすようにペン先が重たくなって、引っこみの付かない悪臭がプンプンと鼻を打って来るのです。
スランプ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
取込んでろくに雪も
掻
(
か
)
かなかったのでしょう、下男の与次郎が、
浅黄
(
あさぎ
)
の手拭を
頬冠
(
ほおかむ
)
りに、
竹箒
(
たけぼうき
)
でセッセと雪を払っております。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ある夕方、三吉が
竹箒
(
たけぼうき
)
を持って、家の門口を掃除したり、草むしりをしたりしていると、そこへ来て風呂敷包を背負った旅姿の人が立った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と、自分の身を、押売りしてみても、笑われたり、呶鳴られたり、乞食あつかいされて、
竹箒
(
たけぼうき
)
で追われたりするだけだった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうしておいてから、さて改まった気持になって、堂の後ろから
竹箒
(
たけぼうき
)
を探し
来
(
きた
)
って、落葉を掃いて、堂前の道筋を、すっかり清めてしまいます。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
老人連、
全然
(
すっかり
)
惚
(
ほ
)
れ込んでしまった。
一
(
いつ
)
にも大河、二にも大河。公立
八雲
(
やくも
)
小学校の事は大河でなければ
竹箒
(
たけぼうき
)
一本買うことも
決定
(
きめ
)
るわけにゆかぬ次第。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
竹箒
(
たけぼうき
)
と
塵
(
ちり
)
取りとを持ちながら、庭男らしい中年の男が、ノッソリと外へ出て来たが、庭男などとは思われない、博徒か遊び人かそんな見当の男の、持っているような隙のない眼で
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
すなわち、腰はまがり、顔はさらにやせ、真白の頭髪はぼうぼうとのび、あのかっこうよくかりこんであったあごひげも、のびほうだいにのびて、すり切れた
竹箒
(
たけぼうき
)
のようになっていた。
火星兵団
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お手が障った所だけは
螫
(
さ
)
しましても痛みませぬ、
竹箒
(
たけぼうき
)
で
引払
(
ひっぱた
)
いては八方へ散らばって体中に
集
(
たか
)
られてはそれは
凌
(
しの
)
げませぬ
即死
(
そくし
)
でございますがと、
微笑
(
ほほえ
)
んで控える手で無理に握ってもらい
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は熱湯を
打
(
ぶ
)
っかける前に、
竹箒
(
たけぼうき
)
の柄をもって、猛烈に物理的操作を試みた。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
竹箒
(
たけぼうき
)
の短いので板の間を掃除している。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
ぼくらが参詣している間に、
竹箒
(
たけぼうき
)
を持った二、三名の陵墓管守が、そこらの落葉をかき集めて、番茶をわかしてくれる。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半蔵はその辺に立てかけてある
竹箒
(
たけぼうき
)
を執って、古い墓石の並んだ前を掃こうとしたが、わずかに落ち散っている赤ちゃけた杉の古葉を取り捨てるぐらいで用は足りた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その翌日の朝、与八は
竹箒
(
たけぼうき
)
で庭を掃いていますと、ほかの女中は昨夜の疲れで寝ているのに、みどりの部屋のみは障子があいて、もう起きているようです、それとも夜通し寝なかったものか。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
竹箒
(
たけぼうき
)
を持って、厩のまわりを掃き始めた。主人の眼が届かないところ程、馬糞や落葉や
藁
(
わら
)
くずが溜っていた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
最初に
屠
(
ほふ
)
られた南部牛は、三人掛りで毛皮も殆んど
剥
(
は
)
ぎ取られた。すこし離れてこの
光景
(
ありさま
)
を眺めると、
生々
(
なまなま
)
とした毛皮からは白い
気
(
いき
)
の立つのが見える。一方には
竹箒
(
たけぼうき
)
で板の間の血を掃く男がある。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
乾分ののん竹は、いきなり
竹箒
(
たけぼうき
)
を
抛
(
ほう
)
り出して、与兵衛のいる茶の間まで一息に飛び込んで来た。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と半蔵が
竹箒
(
たけぼうき
)
を手にしながら言った。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
袖無
(
そでなし
)
羽織を着、小桜の
革足袋
(
かわたび
)
に新しい
藁草履
(
わらぞうり
)
をはき、
鮫柄
(
さめづか
)
の小脇差を一つ横たえて、武士とも町人ともみえず、ただ何処やら
床
(
ゆか
)
しげな風格のある人が、
竹箒
(
たけぼうき
)
を持って——ふと
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、その棒の先に、九ツの龍の肌は、まるで
竹箒
(
たけぼうき
)
に
弄
(
もてあそ
)
ばれる
蜘蛛
(
くも
)
のように、離されては伏せられ、逃げかけては絡みつけられ、果ては、死に絶えたかのごとく、へたばってしまった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
本阿弥光悦ともある人の
母子
(
おやこ
)
が、なんでこの山里の人も
訪
(
と
)
わぬ
伽藍
(
がらん
)
などに来て、しかも寺の
雑人
(
ぞうにん
)
すら怠っている山の朽葉などを、
竹箒
(
たけぼうき
)
を持って、こんな暗くなるまで掃除しているのだろうか?
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その煙の下には、
竹箒
(
たけぼうき
)
を持っている城太郎の姿がすぐ聯想された。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
竹
常用漢字
小1
部首:⽵
6画
箒
漢検1級
部首:⽵
14画
“竹”で始まる語句
竹
竹藪
竹刀
竹竿
竹生島
竹馬
竹籠
竹箆
竹林
竹田