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立籠
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たちこ
ふりがな文庫
“
立籠
(
たちこ
)” の例文
夕立雲
(
ゆふだちぐも
)
が
立籠
(
たちこ
)
めたのでもなさゝうで、
山嶽
(
さんがく
)
の
趣
(
おもむ
)
きは
墨染
(
すみぞめ
)
の
法衣
(
ころも
)
を
襲
(
かさ
)
ねて、
肩
(
かた
)
に
紫
(
むらさき
)
の
濃
(
こ
)
い
袈裟
(
けさ
)
した、
大聖僧
(
だいせいそう
)
の
態
(
たい
)
がないでもない。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
長い橋の中ほどに立って眺望を
恣
(
ほしいまま
)
にすると、対岸にも同じような水門があって、その重い扉を支える石造の塔が、折から
立籠
(
たちこ
)
める
夕靄
(
ゆうもや
)
の空にさびしく
聳
(
そび
)
えている。
放水路
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ロミオ
俺
(
おれ
)
ゃ
匿
(
かく
)
れぬ。
胸
(
むね
)
の
惱悶
(
なやみ
)
の
唸
(
うめ
)
きの
息
(
いき
)
が
霧
(
きり
)
のやうに
立籠
(
たちこ
)
めて
追手
(
おって
)
の
目
(
め
)
を
塞
(
ふさ
)
いだら
知
(
し
)
らぬこと。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
人々は、壁の所の椅子に凭れて、煙を、部屋中に
立籠
(
たちこ
)
めながら、話声を、充満させていた。
ロボットとベッドの重量
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
それに車内に
濛々
(
もうもう
)
と
立籠
(
たちこ
)
めた煙草の煙、それらの中で
杜絶
(
とぎ
)
れ杜絶れにしか聞えなかったが、行儀の悪い乗客達が食べるだけ食べて、
散
(
ちら
)
かすだけ散かして、居睡りを始める頃になると
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
▼ もっと見る
森の中では、幾層にも木の葉が重り合って、空を見ることは出来ませんけれど、でも、全く闇というではなく、
黄昏時
(
たそがれどき
)
のほのかなる微光が、もやの様に
立籠
(
たちこ
)
めて、行手が見えぬ程ではありません。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
(鐘の音)……あれは寺々が夕方の
勤行
(
ごんぎょう
)
の始まりをしらせる鐘の音だ。
御覧
(
ごらん
)
。太陽が西に傾いた。
黄昏
(
たそがれ
)
が平安の
都大路
(
みやこおおじ
)
に
立籠
(
たちこ
)
め始めた。都を落ちて行くものに、これほど
都合
(
つごう
)
のよい時刻はあるまい。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
土間
(
どま
)
は一面の日あたりで、
盤台
(
はんだい
)
、
桶
(
おけ
)
、
布巾
(
ふきん
)
など、ありったけのもの皆濡れたのに、薄く
陽炎
(
かげろう
)
のようなのが
立籠
(
たちこ
)
めて、豆腐がどんよりとして沈んだ、
新木
(
あらき
)
の大桶の水の色は、
薄
(
うす
)
ら
蒼
(
あお
)
く
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
濛々
(
もうもう
)
と
立籠
(
たちこ
)
めた灰神楽があった。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
土間
(
どま
)
は
一面
(
いちめん
)
の
日
(
ひ
)
あたりで、
盤臺
(
はんだい
)
、
桶
(
をけ
)
、
布巾
(
ふきん
)
など、ありつたけのもの
皆
(
みな
)
濡
(
ぬ
)
れたのに、
薄
(
うす
)
く
陽炎
(
かげろふ
)
のやうなのが
立籠
(
たちこ
)
めて、
豆腐
(
とうふ
)
がどんよりとして
沈
(
しづ
)
んだ、
新木
(
あらき
)
の
大桶
(
おほをけ
)
の
水
(
みづ
)
の
色
(
いろ
)
は、
薄
(
うす
)
ら
蒼
(
あを
)
く
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立出
立竦
立塞
立留