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つツ
一
人は三
尺帶に
突かけ
草履の
仕事師の
息子、一
人はかわ
色金巾の
羽織に
紫の
兵子帶といふ
坊樣仕立、
思ふ
事はうらはらに、
話しは
常に
喰ひ
違ひがちなれど
婦人は
投げるやうにいつて
草履を
突かけて
土間へついと
出る。
ほんとにお
湯なら
歸りに
吃度よつてお
呉れよ、
嘘つ
吐きだから
何を
言ふか
知れやしないと
店先に
立つて
馴染らしき
突かけ
下駄の
男をとらへて
小言をいふやうな
物の
言ひぶり
ほんとにお
湯なら帰りにきつとよつておくれよ、
嘘つ
吐きだから何を言ふか知れやしないと店先に立つて
馴染らしき
突かけ下駄の男をとらへて
小言をいふやうな物の言ひぶり
正太は
潜りを
明けて、ばあと
言ひながら
顏を
出すに、
人は二三
軒先の
軒下をたどりて、ぽつ/\と
行く
後影、
誰れだ
誰れだ、おいお
這入よと
聲をかけて、
美登利が
足駄を
突かけばきに