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石室
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いしむろ
ふりがな文庫
“
石室
(
いしむろ
)” の例文
半「そんな事を云ってもいかんよ、悪事を平気な泥坊とはいいながら、目を
眩
(
まわ
)
した
儘
(
なり
)
お蘭さんを此の本堂の下の
石室
(
いしむろ
)
の中へ
生埋
(
いきうめ
)
にしたね」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
石室
(
いしむろ
)
の中では、ほんの微かに、茶色の鈍い光線が
射
(
さ
)
したように思われましたが、それは一瞬で、依然たる冷たい
暗
(
やみ
)
と沈黙があるのみです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
少女は今までの衣裳を解き捨てて、
賤
(
いや
)
しい
奴僕
(
ぬぼく
)
の服を着け、犬の導くままに山を登り、谷に下って
石室
(
いしむろ
)
のなかにとどまった。
中国怪奇小説集:03 捜神記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
女神は、命のあまりの乱暴さにとうとういたたまれなくおなりになって、
天
(
あめ
)
の
岩屋
(
いわや
)
という
石室
(
いしむろ
)
の中へお
隠
(
かく
)
れになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
真っ暗で何も見えはしないが、
石室
(
いしむろ
)
のような狭い部屋であるらしいことと、足音のしないように、底に
藁屑
(
わらくず
)
が厚く敷き詰めてあることだけはお蔦にもよくわかった。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
「中は磨き上げた様な
石室
(
いしむろ
)
で、金銀珠玉は一杯だ、時価に積って何十万、イヤ何百万円あるかな」
古城の真昼
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なに
)
がつて、こんなところに
何
(
なに
)
か
惡
(
わる
)
いことでもした
人間
(
にんげん
)
のやうに、
誰
(
だれ
)
をみても、かうして
鐵
(
てつ
)
の
格子
(
かうし
)
か、そうでなければ
金網
(
かなあみ
)
や
木柵
(
もくさく
)
、
石室
(
いしむろ
)
、
板圍
(
いたがこい
)
なんどの
中
(
なか
)
に
閉込
(
とぢこ
)
められてさ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
雪のほかに、何一つ見えない
大雪谿
(
だいせっけい
)
が、はるか下の方へのびている。向いの山も、まっ白であって、山小屋はもちろん、
石室
(
いしむろ
)
らしいものさえ見えなかった。そうでもあろう。
氷河期の怪人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
山頂に立ったと云っても赤岳のてっぺんではなく、
石室
(
いしむろ
)
に近いその一部の尾根の上である。
八※[#小書き片仮名ガ]岳登山記
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
大きな
石室
(
いしむろ
)
があって、その入口に番兵らしい二三の者が戟を持って立っていた。李生はその前へ往った。戟を持った者は猿の顔をしていた。それは昨夜古廟の中で見た姿であった。
申陽洞記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その墓地というのは、S市郊外のある山の中腹を掘って、石垣を築き、
漆喰
(
しっくい
)
で頑丈にかためた、二十畳敷程の、
石室
(
いしむろ
)
の様なもので、先祖代々の棺が、その中にズラリと並べてあるのだ。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「オイ。給仕、控室の
石室
(
いしむろ
)
君にチョット来てもらってくれ」
近眼芸妓と迷宮事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
低い狭い
石室
(
いしむろ
)
の中は、墓場のように
鎮
(
しずま
)
り返っていた。が、
其
(
そ
)
の
寂寞
(
せきばく
)
は
忽地
(
たちまち
)
に破られた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
わしは見ていたぞ、この
石室
(
いしむろ
)
の鉄窓から。——毎夜毎夜お蝶と
仲間
(
ちゅうげん
)
の龍平が、そこらの闇にみだらな恋をしていたのを。また、官庫の方であやしい挙動のあった事も、わしは残らず知っていた。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
所詮
(
しょせん
)
ふたたびこの世へは出られないものと覚悟しながら、李は暗いなかを探りつつ進んでゆくと、やがて明るいところへ出ました。そこには
石室
(
いしむろ
)
があって、
申陽之洞
(
しんようのどう
)
という
榜
(
ふだ
)
が立っています。
中国怪奇小説集:14 剪灯新話(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
石室
(
いしむろ
)
の中は八畳ぐらいな広さで、横に黒布の
帳
(
とばり
)
を垂れ、帳の奥は二坪ばかりな板敷で、ヨハンが八年間使い馴らした椅子、食器、寝具などのほかに、
馬糧小屋
(
まぐさごや
)
のようなワラがいっぱい敷いてある。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お杉は
首肯
(
うなず
)
いた。市郎は一度消えた蝋燭に再び
燐寸
(
まっち
)
の火を
点
(
つ
)
けて、暗い
石室
(
いしむろ
)
の中を仔細に
照
(
てら
)
して
視
(
み
)
たが、所々の岩の窪みに氷のような水を宿している他には、
矢
(
や
)
はり何物も眼に
入
(
はい
)
らなかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
第三の石門には、扉のような大きな
扁平
(
ひらた
)
い岩が立て掛けてあって、
其下
(
そのした
)
の裂目から
蝦蟆
(
ひきがえる
)
のように身を
縮
(
すく
)
めて
潜
(
もぐ
)
り込むのである。二人は
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
此
(
こ
)
の石門を這い抜けて、更に暗い
冷
(
つめた
)
い
石室
(
いしむろ
)
に入った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“石室”の意味
《名詞》
石を組んで造った室。
古墳で埋葬者を安置するために造られた石造の部屋。
(出典:Wiktionary)
“石室”の解説
石室(せきしつ)とは、古墳の墳丘の中に造られた石造りの埋葬施設である。棺を直接覆う槨とは区別される。
(出典:Wikipedia)
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
室
常用漢字
小2
部首:⼧
9画
“石室”で始まる語句
石室崎