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眼先
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めさき
ふりがな文庫
“
眼先
(
めさき
)” の例文
八の
字
(
じ
)
を
深
(
ふか
)
くしながら、
寄
(
よ
)
せた
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
眼先
(
めさき
)
を、ちらとかすめたのは、
鶯
(
うぐいす
)
の
糞
(
ふん
)
をいれて
使
(
つか
)
うという、
近頃
(
ちかごろ
)
はやりの
紅色
(
べにいろ
)
の
糠袋
(
ぬかぶくろ
)
だった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
すべて向うの
好
(
い
)
いところだけがこう一度に
眼先
(
めさき
)
へ散らつき出すと、ちょっと安心した私はすぐ元の不安に立ち返るのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
眼先
(
めさき
)
の迷いに駆られて、折角の苦労を水の泡にしてはいけない。お前の慾望はもっともっと大きかった筈ではないのか
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これは
或
(
あるい
)
は私の幻覚であったかもしれぬが、その
蒼褪
(
あおざめ
)
た顔の凄さといったら、その当時
始終
(
しじゅう
)
眼先
(
めさき
)
にちらついていて、仕方が無かったが、全く怖い目に会ったのであった。
青銅鬼
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
また
曾
(
かつ
)
て、
或
(
ある
)
老僧の幽霊観を聞いた事があったが、それは、人がもし死ぬという瞬間には、その人の過去に経て来た、一生涯の光景が、必ずその人自身の
眼先
(
めさき
)
に見えるものだと、いっていたが
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
▼ もっと見る
けれども
彼
(
かれ
)
の
頭
(
あたま
)
には
其日
(
そのひ
)
の
印象
(
いんしやう
)
が
長
(
なが
)
く
殘
(
のこ
)
つてゐた。
家
(
うち
)
へ
歸
(
かへ
)
つて、
湯
(
ゆ
)
に
入
(
はひ
)
つて、
燈火
(
ともしび
)
の
前
(
まへ
)
に
坐
(
すわ
)
つた
後
(
のち
)
にも、
折々
(
をり/\
)
色
(
いろ
)
の
着
(
つ
)
いた
平
(
ひら
)
たい
畫
(
ゑ
)
として、
安井
(
やすゐ
)
と
御米
(
およね
)
の
姿
(
すがた
)
が
眼先
(
めさき
)
にちらついた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
部屋
(
へや
)
の
中
(
なか
)
は、
窓
(
まど
)
から
差
(
さ
)
すほのかな
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
で、
漸
(
ようや
)
く
物
(
もの
)
のけじめがつきはするものの、ともすれば、
入
(
い
)
れ
換
(
か
)
えたばかりの
青畳
(
あおだたみ
)
の
上
(
うえ
)
にさえ、
暗
(
くら
)
い
影
(
かげ
)
が
斜
(
なな
)
めに
曳
(
ひ
)
かれて、じっと
見詰
(
みつ
)
めている
眼先
(
めさき
)
は
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“眼”で始まる語句
眼
眼鏡
眼前
眼瞼
眼差
眼窩
眼球
眼眸
眼色
眼下