相変あいかわ)” の例文
旧字:相變
このとき、またおかしかつたのはれい平松刑事ひらまつけいじが、相変あいかわらず金魚きんぎょのことをにしていたことである。よほどの金魚好きんぎょずきにちがいない。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
そこでもかれ宿やどからずに、終日しゅうじつ相変あいかわらず長椅子ながいすうえころがり、相変あいかわらずとも挙動きょどう愛想あいそうかしている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
月光は相変あいかわらず明るく硝子戸ガラスどを照らしていましたが、先刻さっき見えたあやしい鬼影おにかげは、まったく見当りません。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうともさ、肝腎かんじん万年青おもと掃除そうじ半端はんぱでやめて、半時はんときまえから、おまえさんのるのをってたんだ。——だがおせんちゃん。おまえ相変あいかわらず、師匠ししょうのように綺麗きれいだのう
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
が、ぼくぼくと一しょに行った室生犀生くん画帖がじょうなどをしめし、相変あいかわらず元気げんきはなしをした。
滝田哲太郎君 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
判事はこれを信用したのかどうか分らないが、相変あいかわらず難しい顔で
相変あいかわらず真赤な洋服かなんか着てね
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
診察しんさつとき患者かんじゃ臆病おくびょうわけわからぬこと、代診だいしんそばにいること、かべかかってる画像がぞう、二十ねん以上いじょう相変あいかわらずにけている質問しつもん、これらは院長いんちょうをしてすくなからず退屈たいくつせしめて
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あいつは税金ぜいきんがかかるから、表向おもてむきの金貸かねかしをやめたが、相変あいかわらずもぐりの金貸かねかしでした。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
彼は相変あいかわらず無気力な瞳を壁の方に向けて、待つべからざるものを待っていた。腹は減ったというよりも、もう減りすぎてしまった感じである。胃袋は梅干大うめぼしだいに縮小していることであろう。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
しげさん、おまえ相変あいかわらずばしっこいよ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
白木は、相変あいかわらず石のように硬い姿勢を崩さないで、私にきいた。
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ほどほど相変あいかわらずの親孝行おやこうこうだの」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)