盤面ばんめん)” の例文
一「セカンド」は大抵たいていみやく一動いちどうおなじ。さて時計とけい盤面ばんめんを十二にわかち、短針たんしん一晝夜いつちうやに二づゝまはり、長針ちやうしんは二十四づゝまは仕掛しかけにせり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
「この頃は笙も一段と上達致したであろうな。」と、念を押すように仰有おっしゃると、若殿様は静に盤面ばんめんを御眺めになったまま
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さわやかな秋の時計とけい盤面ばんめんには、青くかれたはがねの二本のはりが、くっきり十一時をしました。みんなは、一ぺんにおりて、車室の中はがらんとなってしまいました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
寢床ねとこにはひつても盤面ばんめん腦裡のうりうかんで來て口しさにねむれぬおもひのする事しばしばだが
八五郎も勝つた盤面ばんめんを見乍ら、殘惜しさうに立ち上がります。
老爺ぢい盤面ばんめん差覗さしのぞいて、坊主ばうず流盻しりめいさんだ顔色かほつき
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すなはその二十分時ぶんじとは長針ちやうしんの十二ところいたまで二十分時ぶんじあるとふことにて、いづれも長針ちやうしんは十二もとにし盤面ばんめんにある六十のてんかぞへて何時なんじ何分時なんぶんじふことをるべし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
これより段々だん/″\みぎはうまは短針たんしんの一すときは、長針ちやうしん盤面ばんめんを一まはりして六十分時ぶんじぎ、また十二ところもどり、これよりまた次第しだいすゝ短針たんしんの一と二とのあいだきたるときは
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)