トップ
>
産屋
>
うぶや
ふりがな文庫
“
産屋
(
うぶや
)” の例文
穀母が穀童を産み育ててゆく、そのために
産屋
(
うぶや
)
の祭があり、二代目の穀物はその産屋でスピリット(魂)を穀母から受けるというのである。
故郷七十年
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そこでイザナギの命は「あんたがそうなされるなら、わたしは一日に千五百も
産屋
(
うぶや
)
を立てて見せる」と仰せられました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
老尼君のためにだけはうれしいことと見えても、外見へは不都合であるために、南の町へ
産屋
(
うぶや
)
を移す計画ができていた。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
彦火火出見尊
(
ひこほほでみのみこと
)
のお
妃
(
きさき
)
の豊玉姫が、海岸の
産屋
(
うぶや
)
で御子
鵜草葺不合尊
(
うがやふきあえずのみこと
)
をお生みになった事は、誰も承知の有名なお話です。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
ヴォワン・スチーヴンス説にマレー半島のペラック、セマン人懐妊すると父が
予
(
あらかじ
)
め生まるべき児の名を
産屋
(
うぶや
)
近く生え居る樹の名から採って定めおく。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
桔梗は、
産屋
(
うぶや
)
を離れたばかりであった。でもその日は、化粧を新たにして、母となった
腕
(
かいな
)
に、珠のような男の子を抱いて、旅の
夫
(
つま
)
を、中門のほとりで待ち迎えた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「今度見つけた巣は一番上等だ。鷺の中でも貴婦人となると、産は雪の中らしい。人目を忍ぶんだな。
産屋
(
うぶや
)
も奥御殿という処だ。」「やれ、罰が当るてば。旦那。」
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
香取秀真
(
かとりほずま
)
氏の古い歌に「おしいれの猫の
産屋
(
うぶや
)
に雨もりて夜たゞ親鳴く子を守りがてに」
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
白髪の鬼と化してこの世に再生したわしの
産屋
(
うぶや
)
に相違なかった。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
わが
産屋
(
うぶや
)
野馬が遊びに来ぬやうに柵つくらせぬ白菊の花
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
産屋
(
うぶや
)
洩る初日影より、臨終の
燭
(
そく
)
の火までも
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
わが
霊
(
たま
)
の なやむ
産屋
(
うぶや
)
か。
御霊うぶや
(新字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
藤房
(
ふじぶさ
)
の
垂
(
た
)
れて
小暗
(
おぐら
)
き
産屋
(
うぶや
)
かな
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
ここに伊耶那岐の命、詔りたまはく、「愛しき我が
汝妹
(
なにも
)
の命、
汝
(
みまし
)
然したまはば、
吾
(
あ
)
は一日に
千五百
(
ちいほ
)
の
産屋
(
うぶや
)
を立てむ」
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
そこで立戻ってもう一度、何故に琉球列島の一部に、稲の蔵置場と人間の
産屋
(
うぶや
)
とを、ともにシラと呼ぶ言葉が、残り伝わっているのかを考えてみたい。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
産屋
(
うぶや
)
の騒がしい空気と自分とはしっくり合わない気がされてたびたびは来ないのですが、気分はどうですか。
源氏物語:36 柏木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
思うに太古に於いては必ず屋外に別に
産屋
(
うぶや
)
を作って、そこで子を産んだに相違ありません。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
(ご誕生の時には、
産屋
(
うぶや
)
に
紫雲
(
しうん
)
たなびいて
天楽
(
てんがく
)
が聞えたそうな)とか
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この方から
逆寄
(
さかよ
)
せして、別宅のその
産屋
(
うぶや
)
へ、
守刀
(
まもりがたな
)
を
真先
(
まっさき
)
に露払いで乗込めさ、と
古袴
(
ふるばかま
)
の
股立
(
ももだ
)
ちを取って、
突立上
(
つッたちあが
)
りますのに
勢
(
いきおい
)
づいて、お産婦を
褥
(
しとね
)
のまま、四隅と両方、六人の手で
密
(
そっ
)
と
舁
(
か
)
いて、釣台へ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
産屋
(
うぶや
)
洩る初日影より、臨終の
燭
(
そく
)
の火までも
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
タヤ(田屋)という語はある地方では
産屋
(
うぶや
)
・
忌屋
(
いみや
)
を意味するが、もとはやはり出て耕作するのが名の起りらしい。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
妙法寺の別当の坊様が私の生まれる時
産屋
(
うぶや
)
にいたのですってね。その方にあやかったのだと言って母が
歎息
(
たんそく
)
しておりました。どうかして直したいと思っております
源氏物語:26 常夏
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
天皇上皇の
后
(
きさき
)
や
女御
(
にょご
)
ともなり、一族、三公の栄位にならび、臣にして皇室の
外舅
(
がいきゅう
)
ともあがめられることはままある
慣
(
なら
)
いなので、
妊娠
(
みごも
)
った夫人が
産屋
(
うぶや
)
にはいれば、
藤氏
(
とうし
)
の氏神たる春日の社へ使をたてて
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
産屋
(
うぶや
)
などへそんなお坊さんの来られたのが災難なんだね。そのお坊さんの持っている罪の報いに違いないよ。
唖
(
おし
)
と
吃
(
どもり
)
は仏教を
譏
(
そし
)
った者の報いに数えられてあるからね」
源氏物語:26 常夏
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
践祚
(
せんそ
)
大嘗祭の朝儀の最古最精確の現存記録であるが、この中にはすでに翌年播種の種子に対する
心遣
(
こころづか
)
い、すなわち私たちの
謂
(
い
)
おうとする稲の
産屋
(
うぶや
)
の
式作法
(
しきさほう
)
が
些
(
すこ
)
しも見えない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
親王がた、諸大臣家からもわれもわれもとはなやかな御祝い品の来るお
産屋
(
うぶや
)
であった。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
子供が村に生れると氏子入りと謂つて、
産屋
(
うぶや
)
の穢れの清まるや否や、人が抱いてお参りをさせる。大きな声で赤児の名を神に申し上げ、又は暫らく神前にねかせて置いて啼かせたりする。
祭のさまざま
(新字旧仮名)
/
柳田国男
(著)
やはり稲の
産屋
(
うぶや
)
を意味する言葉が明らかに
痕
(
あと
)
づけられることであった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
産屋
(
うぶや
)
の祝いの
派手
(
はで
)
に行なわれた様子などは書かないでも読者は想像するがよい。内大臣も玉鬘の幸福であることに満足していた。大将の大事にする長男、二男にも今度の幼児の顔は劣っていなかった。
源氏物語:31 真木柱
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
子どもがこの木を組んで
産屋
(
うぶや
)
というものを立てるという。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
産
常用漢字
小4
部首:⽣
11画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“産屋”で始まる語句
産屋囲
産屋戸