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げんのう
ふりがな文庫
“
玄翁
(
げんのう
)” の例文
こんどこそ
間違
(
まちが
)
いはないと
玄翁
(
げんのう
)
が
思
(
おも
)
って、ひょいと
起
(
お
)
き
上
(
あ
)
がりますと、どうでしょう、さっきの石のあった
所
(
ところ
)
がほんのり
明
(
あか
)
るくなって
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
多勢手が揃つたところでいろ/\手分けをして
搜
(
さが
)
すと、第一番に縁の下に役り込んであつた血だらけの
玄翁
(
げんのう
)
を文七が見付けてくれます。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ひとりは
斧
(
おの
)
を持ち、ひとりは大鍵を持ち、ひとりは
玄翁
(
げんのう
)
を持ち、その他の者は
鋏
(
はさみ
)
や
火箸
(
ひばし
)
や
金槌
(
かなづち
)
などを持ち、テナルディエはナイフを手に握っていた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
があんと頭をひとつ、
玄翁
(
げんのう
)
で
殴打
(
なぐ
)
られたような気がした。彼はよろめきながら、女の顔を正面からじッと見据えた。
梟の眼
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
那須野の殺生石が
玄翁
(
げんのう
)
和尚の一
喝
(
かつ
)
によって砕かれたのは、それから百年の後であったと伝えられている。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
翌日の新聞は、稲川先生のことを大きな見出しで「純真なる
魂
(
たましい
)
を
蝕
(
むしば
)
む赤い教師」と報じていた。それは
田舎
(
いなか
)
の人びとの頭を
玄翁
(
げんのう
)
でどやしたほどのおどろきであった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
二人で礁の頂上へあがって
玄翁
(
げんのう
)
で
破
(
わ
)
っておるうちに、どうした
機
(
はずみ
)
かあれと云う間に、二人は玄翁を
揮
(
ふ
)
り落すなり、転び落ちまして、あんな事になりましたが、銀六の方は
海神に祈る
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
玄翁
(
げんのう
)
か何かで一度に叩ッ殺し、そのまま線路上へ投げ出して置く——が、しかし、この場合の犯人は、既に僕等も見て来た様に、実に不自然な、むしろ芝居
染
(
じ
)
みた道具立をしている。
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
ぼんやり
佇
(
たたず
)
んでいようものなら、——一瞬間でも、懐疑と
倦怠
(
けんたい
)
に身を任せようものなら、——たちまち
玄翁
(
げんのう
)
で頭をぐゎんとやられて、周囲の殺気は一時に押し寄せ、笠井さんのからだは
八十八夜
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
先刻
(
さっき
)
も先刻、今も今、優しいこと、嬉しいこと、可愛いことを聞くにつけ、云おう云おうと胸を衝くのは、罪も報いも無いものを
背後
(
うしろ
)
からだまし
打
(
うち
)
に、岩か
玄翁
(
げんのう
)
でその
身体
(
からだ
)
を打砕くような思いがして
湯島の境内
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
玄翁
(
げんのう
)
で打っても潰れそうにない淵老人の頑固
面
(
づら
)
を凝視した。
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
石工は
玄翁
(
げんのう
)
を打振り
拡大されゆく国道前線
(新字新仮名)
/
広海大治
(著)
玄翁
(
げんのう
)
は
殺生石
(
せっしょうせき
)
の
前
(
まえ
)
に
座
(
すわ
)
って、
熱心
(
ねっしん
)
にお
経
(
きょう
)
を
読
(
よ
)
みました。そして
殺生石
(
せっしょうせき
)
の
霊
(
れい
)
をまつってやりました。
殺生石
(
せっしょうせき
)
がかすかに
動
(
うご
)
いたようでした。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「寅藏ならあの
玄翁
(
げんのう
)
も振り廻せるし、お
此
(
この
)
が隣で油を賣つて、暗くなつてから歸つて來ることも知つて居る。——
踏込
(
ふみこ
)
んで擧げませうか」
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その男が今や、鉄棒の両端に鉛の
丸
(
たま
)
のついてる一種の
玄翁
(
げんのう
)
をルブラン氏の頭めがけて振り上げた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
と
玄翁
(
げんのう
)
はつぶやきながら石のそばに
寄
(
よ
)
ってみますと、ちょうど
人間
(
にんげん
)
の
背
(
せい
)
の
高
(
たか
)
さぐらいのすべすべしたきれいな石でした。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「出来ない事じゃないよ。
母親
(
おふくろ
)
と
共謀
(
ぐる
)
でやれば、思いの外手軽に抜け出せるし、鑿は、又六が居眠りでもしているところを狙って
背後
(
うしろ
)
から
玄翁
(
げんのう
)
か何かで叩き込むんだ」
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
革命の
渾沌
(
こんとん
)
たる
開闢
(
かいびゃく
)
の時において、ぼろをまとい、怒号し、荒れ回り、
玄翁
(
げんのう
)
をふり上げ、
鶴嘴
(
つるはし
)
をふりかざし、
狼狽
(
ろうばい
)
せる旧パリーに飛びかかって毛髪を逆立てたそれらの者は
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
もっともそのためには下女のお寅を手なずけてかかったが、お寅がうるさい事を言うもんで、二度目に行った時、手前ものの
玄翁
(
げんのう
)
で一と打ちにやっつけてしまったんだ
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ビグルナイユは
玄翁
(
げんのう
)
をジャヴェルの足下に投げ出した。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それに金次郎はあの血の着いた
袷
(
あはせ
)
を、お此が殺された日は着てゐなかつたといふし、自分の袷にわざわざ血を附けて、血染の
玄翁
(
げんのう
)
を縁の下に投り込んで置いたのもをかしい。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちょうど上がり
框
(
かまち
)
の影になって誰にもちょっと気の付かない
辺
(
あたり
)
から、二尺ほどの柄の付いた、先の尖った
鉄槌
(
てっつい
)
——石屋が石を割る時使う
玄翁
(
げんのう
)
に、血潮と脳漿の付いたのを見付け出しました。
銭形平次捕物控:026 綾吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
玄
常用漢字
中学
部首:⽞
5画
翁
常用漢字
中学
部首:⽻
10画
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玄翁和尚