火氣くわき)” の例文
新字:火気
かれはそれからとなり主人しゆじん挨拶あいさつたが、自分じぶんのどそこものをいうてげるやうにかへつた。かれは三にんこほつたそらいたゞいて燒趾やけあと火氣くわき手頼たよりにかした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それよ今宵こよひよりは一時いちじづゝの仕事しごとばして此子このこため收入しうにふおほくせんとおほせられしなりき、火氣くわき滿みちたるしつにてくびやいたからん、ふりあぐるつち手首てくびいたからん。
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すみくろいが、いましがたいだばかりで、じようにもらず、火氣くわきちぎは。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この炎々として猛烈なる火氣くわきを靜めて
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
おつぎは勘次かんじ煙草たばこはないので一寸ちよつと煙草たばこをとることにまでは心附こゝろづかなかつた。野田のだでは始終しじうかん/\と堅炭かたずみおこしていくらでもたぎつてよるでも室内しつない火氣くわきることはないのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)