“温度(をんど)” の例文
醫者(いしや)に診(み)て貰(もら)ふと、發育(はついく)が充分(じゆうぶん)でないから、室内(しつない)の温度(をんど)を一定(いつてい)の高(たか)さにして、晝夜(ちうや)とも變(かは)らない位(くらゐ)、人工的(じんこうてき)に暖(あたゝ)めなければ不可(いけ)ないと云(い)つた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其(そ)の夜(よ)温度(をんど)が著(いちじ)るしく下降(かかう)した。季節(きせつ)は彼岸(ひがん)も過(す)ぎて四月(ぐわつ)に入(はひ)つて居(ゐ)るのであるが、寒(さむ)さは地(ち)に凝(こ)りついたやうに離(はな)れなかつた。夜半(やはん)に卯平(うへい)はのつそりと起(お)きて圍爐裏(ゐろり)に麁朶(そだ)を燻(く)べた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次(かんじ)は冷(つめ)たい手(て)を火(ひ)にも翳(かざ)さないで殊更(ことさら)に遠(とほ)く卯平(うへい)の側(そば)を離(はな)れて蹙(しか)めた酷(ひど)い顏(かほ)に恐怖(きようふ)の相(さう)を表(あら)はして唯(たゞ)凝然(ぢつ)と默(だま)つて居(ゐ)た。冷(つめ)たい三人(にん)は夜(よる)の温度(をんど)のしん/\と降下(かうか)しつゝあるのを感(かん)じた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼(かれ)は坐(すわ)りながら、脊中(せなか)のぞく/\する程(ほど)温度(をんど)の低(ひく)い空氣(くうき)に堪(た)へなかつた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)