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をんど
醫者に
診て
貰ふと、
發育が
充分でないから、
室内の
温度を
一定の
高さにして、
晝夜とも
變らない
位、
人工的に
暖めなければ
不可ないと
云つた。
其の
夜温度が
著るしく
下降した。
季節は
彼岸も
過ぎて四
月に
入つて
居るのであるが、
寒さは
地に
凝りついたやうに
離れなかつた。
夜半に
卯平はのつそりと
起きて
圍爐裏に
麁朶を
燻べた。
勘次は
冷たい
手を
火にも
翳さないで
殊更に
遠く
卯平の
側を
離れて
蹙めた
酷い
顏に
恐怖の
相を
表はして
唯凝然と
默つて
居た。
冷たい三
人は
夜の
温度のしん/\と
降下しつゝあるのを
感じた。
彼は
坐りながら、
脊中のぞく/\する
程温度の
低い
空氣に
堪へなかつた。