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深刻
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しんこく
ふりがな文庫
“
深刻
(
しんこく
)” の例文
結局金博士の智慧を
験
(
た
)
めそうとした奴の蟇口の中身が
空虚
(
から
)
と
相成
(
あいな
)
って、思いもかけぬ
深刻
(
しんこく
)
な負けに終るのが不動の慣例だった。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
茲
(
ここ
)
において我が地方的玩具の保護や製作を
奨励
(
しょうれい
)
する意味が一層
深刻
(
しんこく
)
になるのである。(大正十四年九月『副業』第二巻第九号)
土俗玩具の話
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
夫
(
それ
)
は
深刻
(
しんこく
)
な
印度
(
いんど
)
の
化物
(
ばけもの
)
とは
比
(
くら
)
べものにならぬ。
例
(
たと
)
へば、ケンタウルといふ
惡神
(
あくしん
)
は
下半身
(
しもはんしん
)
は
馬
(
うま
)
で、
上半身
(
かみはんしん
)
は
人間
(
にんげん
)
である。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
胸中
(
きょうちゅう
)
に
深刻
(
しんこく
)
な
痛
(
いた
)
みをおぼえてから、
気楽
(
きらく
)
な
悠長
(
ゆうちょう
)
な農民を
相手
(
あいて
)
にして遊ぶにたえられなくなったのである。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
店から主人の
言傳
(
ことづて
)
を持つて夜遲くやつて來ましたが、丁度、二人の妾お關とお吉の、
深刻
(
しんこく
)
極まる
挘
(
むし
)
り合ひの仲裁をして、用心棒代りに泊り込んだ晩の出來事だつたのです。
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
自分が
深刻
(
しんこく
)
な命脈にはづれて、トルストイの
冷刻
(
れいこく
)
にもならず、ドストイエフスキの
熱刻
(
ねつこく
)
にも行かず、ただ淺い、淡い、なまぬるい感じと氣分とにぐらついてゐるのをおぼえる。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
物凄
(
ものすご
)
かったり気味悪かったりする
大分
(
だいぶ
)
深刻
(
しんこく
)
な怨みであって、それは秋の暮とでもいう心持にふさわしいであろうが、この選者を恨む歌の主の怨みはそれほど深刻ではなくって
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「なに
不景氣
(
ふけいき
)
な
顏
(
かほ
)
さへしなければ、
何處
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
つたつて
驩迎
(
くわんげい
)
されるもんだよ」と
學友
(
がくいう
)
の
安井
(
やすゐ
)
によく
話
(
はな
)
した
事
(
こと
)
があつた。
實際
(
じつさい
)
彼
(
かれ
)
の
顏
(
かほ
)
は、
他
(
ひと
)
を
不愉快
(
ふゆくわい
)
にする
程
(
ほど
)
深刻
(
しんこく
)
な
表情
(
へうじやう
)
を
示
(
しめ
)
し
得
(
え
)
た
試
(
ためし
)
がなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
熱帶地方
(
ねつたいちはう
)
の
自然界
(
しぜんかい
)
は
極
(
きは
)
めて
雄大
(
ゆうだい
)
であるから、
思想
(
しさう
)
も
自然
(
しぜん
)
に
深刻
(
しんこく
)
になるものである。そして
熱帶
(
ねつたい
)
で
多神教
(
たしんけう
)
を
信
(
しん
)
ずる
國
(
くに
)
に
於
(
おい
)
て、
最
(
もつと
)
も
深刻
(
しんこく
)
な
化物思想
(
ばけものしさう
)
が
發達
(
はつたつ
)
したといふ
事
(
こと
)
が
言
(
い
)
へる。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
破壊以前
(
はかいいぜん
)
が人なみよりもあたたかい
歓楽
(
かんらく
)
に
富
(
と
)
んでおっただけ、
破壊後
(
はかいご
)
の
悲惨
(
ひさん
)
が
深刻
(
しんこく
)
であった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
お藤は思はず悲鳴を——いや悲鳴と言ふよりは、もつと
深刻
(
しんこく
)
な、小さな叫びをあげました。
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのあいだ、さすがのX号も、
深刻
(
しんこく
)
な顔つきになって今にも
脳貧血
(
のうひんけつ
)
を起こしそうになった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
自分は親のない寂しさも、きょうこの村へはいりかけて、はじめて
深刻
(
しんこく
)
に感じたのだ。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
佐渡屋をめぐる情事と、罪悪と、因縁とは、思いのほかの
深刻
(
しんこく
)
なものがありそうです。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
初等インチキというのを
見廻
(
みまわ
)
すと、中村徳三郎氏の「麻雀
防弊
(
ぼうへい
)
」に於て示されたような外国で行われる
深刻
(
しんこく
)
極
(
きわ
)
まりなきインチキに比較して、いかにもアッサリした、コソ
泥的
(
どろてき
)
とも言え
麻雀インチキ物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
佐渡屋をめぐる情事と、罪惡と、因縁とは、思ひの外の
深刻
(
しんこく
)
なものがありさうです。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「こんどは、なかなか
深刻
(
しんこく
)
なところへ案内いたします」
ふしぎ国探検
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
喉佛をヒクヒクと鳴らして、
深刻
(
しんこく
)
な
嗚咽
(
をえつ
)
がこみ上げて來たのでした。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人の爭ひは
深刻
(
しんこく
)
で無殘でした。
銭形平次捕物控:179 お登世の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“深刻”の意味
《名詞》
事態が進行して問題が重大になっているさま。
事態の重大さに心が囚われ重々しく受け止めているさま。
(出典:Wiktionary)
深
常用漢字
小3
部首:⽔
11画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
“深刻”で始まる語句
深刻気
深刻味
深刻摯実