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海棠
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かいだう
ふりがな文庫
“
海棠
(
かいだう
)” の例文
垣に朝顔、藤豆を植ゑ、蓼を
海棠
(
かいだう
)
の
下
(
もと
)
に、蝦夷菊唐黍を茶畑の前に、
五本
(
いつもと
)
三本
(
みもと
)
培
(
つちか
)
ひつ。
彼
(
か
)
の名にしおふシヽデンは庭の一段高き処、飛石の
傍
(
かたへ
)
に植ゑたり。
草あやめ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その牡丹は、けふもまだあちこちに咲き殘つてゐる椿、
木瓜
(
ぼけ
)
、
海棠
(
かいだう
)
、木蓮、
蘇芳
(
すはう
)
などと共に、花好きの妻の母が十年近くも一人で丹精した大事な植木です。
行く春の記
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
「
海棠
(
かいだう
)
の露をふるふや
物狂
(
ものぐるひ
)
」の下にだれだか「海棠の露をふるふや
朝烏
(
あさがらす
)
」とかいたものがある。鉛筆だから、書体はしかと
解
(
わか
)
らんが、女にしては
硬過
(
かたす
)
ぎる、男にしては
柔
(
やわら
)
か過ぎる。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大木の
白木蓮
(
しろもくれん
)
、
玉椿
(
たまつばき
)
、
槇
(
まき
)
、
海棠
(
かいだう
)
、黒竹、
枝垂
(
しだ
)
れ桜、大きな
花柘榴
(
はなざくろ
)
、梅、
夾竹桃
(
けふちくたう
)
、いろいろな種類の蘭の鉢。さうしてそれ等の不幸な木はかくも忙しくその居所を変へなければならなかつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
其の振り
上
(
あ
)
ぐる顏を見れば、
鬚眉
(
すうび
)
の魂を
蕩
(
とろ
)
かして此世の外ならで六尺の體を天地の間に置き所なきまでに狂はせし
傾國
(
けいこく
)
の色、凄き迄に
美
(
うる
)
はしく、何を悲しみてか眼に
湛
(
たゝ
)
ゆる涙の
珠
(
たま
)
、
海棠
(
かいだう
)
の雨も及ばず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
櫻
(
さくら
)
か、
海棠
(
かいだう
)
かと
思
(
おも
)
ふ、
巨
(
おほき
)
なつゝじの、
燃立
(
もえた
)
つやうなのを
植
(
うゑ
)
て、
十鉢
(
とはち
)
ばかりずらりと
並
(
なら
)
べた——
紅
(
べに
)
を
流
(
なが
)
したやうなのは、
水打
(
みづう
)
つた
石疊
(
いしだたみ
)
に
其
(
そ
)
の
影
(
かげ
)
が
映
(
うつ
)
つたのである。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
海棠
(
かいだう
)
の露をふるふや
物狂
(
ものぐる
)
ひ」と
真先
(
まっさき
)
に書き付けて読んで見ると、別に面白くもないが、さりとて気味のわるい事もない。次に「花の影、女の影の
朧
(
おぼろ
)
かな」とやったが、これは季が
重
(
かさ
)
なっている。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
春
(
はる
)
の
粧
(
よそほひ
)
の
濃
(
こ
)
き
淡
(
うす
)
き、
朝夕
(
あさゆふ
)
の
霞
(
かすみ
)
の
色
(
いろ
)
は、
消
(
き
)
ゆるにあらず、
晴
(
は
)
るゝにあらず、
桃
(
もゝ
)
の
露
(
つゆ
)
、
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
に、
且
(
か
)
つ
解
(
と
)
け
且
(
か
)
つ
結
(
むす
)
びて、
水
(
みづ
)
にも
地
(
つち
)
にも
靡
(
なび
)
くにこそ、
或
(
あるひ
)
は
海棠
(
かいだう
)
の
雨
(
あめ
)
となり、
或
(
あるひ
)
は
松
(
まつ
)
の
朧
(
おぼろ
)
となる。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
海棠
(
かいだう
)
の精が出てくる月夜かな
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“海棠”の意味
《名詞》
海棠 (かいどう)
ハナカイドウの別名。
ミカイドウの別名。
(出典:Wiktionary)
“海棠(ハナカイドウ)”の解説
ハナカイドウ(花海棠、学名:Malus halliana)は、バラ科リンゴ属の耐寒性落葉高木。別名はカイドウ、スイシカイドウ、ナンキンカイドウなど。春に淡紅色の花を咲かせる花木として、各地で植栽される。
(出典:Wikipedia)
海
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
棠
漢検1級
部首:⽊
12画
“海棠”で始まる語句
海棠色
海棠林檎
海棠詩屋