トップ
>
泝
>
さかのぼ
ふりがな文庫
“
泝
(
さかのぼ
)” の例文
すなはち宮に入りまさずて、その御船を引き
避
(
よ
)
きて、堀江に
泝
(
さかのぼ
)
らして、河のまにまに
六
、
山代
(
やましろ
)
に上りいでましき。この時に歌よみしたまひしく
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
然れば団十郎父子の正月に演じた狂言は別である。四世薪水の大功記の事は演劇史に見えない。是等は根本資料に
泝
(
さかのぼ
)
つて検せなくてはならない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
其處
(
そこ
)
で
僕
(
ぼく
)
は
昨日
(
きのふ
)
チエホフの『ブラツクモンク』を
讀
(
よみ
)
さして
思
(
おも
)
はずボズさんの
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へ
出
(
だ
)
し、
其
(
その
)
以前
(
いぜん
)
二人
(
ふたり
)
が
溪流
(
たにがは
)
の
奧深
(
おくふか
)
く
泝
(
さかのぼ
)
つて「やまめ」を
釣
(
つ
)
つた
事
(
こと
)
など
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
劒沢を
泝
(
さかのぼ
)
り、八時十三分、長次郎谷の出合。大なる
羚羊
(
かもしか
)
を見る。十時、別山裏の平地に達し、小憩して昼食。十時三十五分、出発。十一時、別山乗越着。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
僅
(
わづか
)
に其地を
去
(
さ
)
れば味ひ
美
(
び
)
ならず、その味ひ美なるものは北海より
長江
(
ちやうかう
)
を
泝
(
さかのぼ
)
りて
困苦
(
こんく
)
したるの
度
(
ど
)
にあたれるゆゑならん。
魚
(
うを
)
急浪
(
きふらう
)
に
困苦
(
くるしめ
)
ば味ひかならず
甘美
(
うまき
)
もの也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
此より上に
泝
(
さかのぼ
)
れば、即ち上牢下牢関、皆な山水清絶の処なり。孤峰は即ち甘泉寺山、孝女泉及び祠ありて万竹の間に在り、亦た幽邃喜ぶ可し。峡人歳時遊観頗る盛。
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
わたくしは京水本系図の来歴より
泝
(
さかのぼ
)
つて水津本系図の来歴に及び、水津本が京都で歿した水津官蔵の手より、江戸にゐる
女
(
むすめ
)
の手にわたつたことを言つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
掘
(
ほり
)
につきたる時は
漁師
(
れふし
)
もこれをとらず、たま/\
捕
(
と
)
るものあれども
強
(
しひ
)
てはせぬ事也。
女魚
(
めな
)
さへとらざれば
男魚
(
をな
)
は其所をさらず。
鮏
(
さけ
)
の河に
泝
(
さかのぼ
)
るは子を
産
(
うま
)
んとて也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
『
病氣
(
びやうき
)
に
良
(
よ
)
くない、』『
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
りさうですから』など
宿
(
やど
)
の
者
(
もの
)
がとめるのも
聞
(
き
)
かず、
僕
(
ぼく
)
は
竿
(
さを
)
を
持
(
もつ
)
て
出掛
(
でか
)
けた。
人家
(
じんか
)
を
離
(
はな
)
れて四五
丁
(
ちやう
)
も
泝
(
さかのぼ
)
ると
既
(
すで
)
に
路
(
みち
)
もなければ
畑
(
はたけ
)
もない。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
産終
(
うみをは
)
るまでの
困苦
(
こんく
)
のために
尾鰭
(
をひれ
)
を
損
(
そこな
)
ひ
身
(
み
)
痩
(
やせ
)
労
(
つか
)
れ、ながれにしたがひてくだり
深淵
(
ふかきふち
)
ある所にいたればこゝに
沈
(
しづ
)
み
居
(
ゐ
)
て
労
(
つかれ
)
を
養
(
やしな
)
ひ、もとのごとく
肥太
(
こえふと
)
りて
再
(
ふたゝ
)
び
流
(
ながれ
)
に
泝
(
さかのぼ
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さてお
正
(
しょう
)
は既にいないので、大いに失望した上に、お
正
(
しょう
)
の身の上の不幸を箱根細工の店で聞かされたので、不快に堪えず、流れを
泝
(
さかのぼ
)
って
渓
(
たに
)
の奥まで一人で散歩して見たが少しも面白くない
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
泝
漢検1級
部首:⽔
8画