“さかのぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
溯49.6%
遡44.0%
泝2.1%
遡上2.1%
溯上1.8%
沂0.3%
逆0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はだかに半纒(はんてん)だけ一枚着てみんなの泳ぐのを見てゐる三十ばかりの男が、一梃(ちゃう)の鉄梃(かなてこ)をもって下流の方から溯(さかのぼ)って来るのを見ました。
イギリス海岸 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
日本に君臨したもう皇室の淵源に遡(さかのぼ)って説いているのであって、大義名分を正すにはここから説き出さなければならないのであった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
然れば団十郎父子の正月に演じた狂言は別である。四世薪水の大功記の事は演劇史に見えない。是等は根本資料に泝(さかのぼ)つて検せなくてはならない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
河の流れをたどって行く鉛筆の尖端が平野から次第に谿谷(けいこく)を遡上(さかのぼ)って行くに随って温泉にぶつかり滝に行当りしているうちに幽邃(ゆうすい)な自然の幻影がおのずから眼前に展開されて行く。
夏 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
春から二た月ばかり休んで居ましたが、石井平四郎の伜を皮切りに、段々大川筋を溯上(さかのぼ)つて、本所、淺草あたりまで荒すやうになつたのです。
抑(そもそ)も塩原の地形たる、塩谷郡(しほやごほり)の南より群峰の間を分けて深く西北に入(い)り、綿々として箒川(ははきがわ)の流に沂(さかのぼ)る片岨(かたそば)の、四里に岐(わか)れ、十一里に亙(わた)りて、到る処巉巌(ざんがん)の水を夾(はさ)まざる無きは
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
人見知(ひとみしり)をせず、年は若し、かけかまいのない女であるから、癇癪が高ぶって血も逆(さかのぼ)らんとする、若い品の良(い)いのを見て嬉しくッて耐(たま)らず、様子を悟って声を懸けた。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)