“さかの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
62.5%
37.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それを更に効果的にしたのが村松銀之丞であるが、両者の関係を語るには十六七年ほど昔へさかのぼらなければならない。……永井家の屋敷は大手筋の端にあり、すぐ裏が足軽の組長屋になっている。
恋の伝七郎 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
額から始まって、平たい頬を塗って、あごから耳の附根つけねまでさかのぼって、壁のように静かである。中にひとみだけが活きていた。くちびるべにの色を重ねて、青く光線を反射した。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私の父母ふぼ、私の祖父母そふぼ、私の曾祖父母そうそふぼ、それから順次にさかのぼって、百年、二百年、乃至ないし千年万年の間に馴致じゅんちされた習慣を、私一代で解脱げだつする事ができないので
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
結婚問題と云うより僕と千代子を取り巻く周囲の事情と云った方が適当かも知れない。それを説明するには話の順序としてまず千代子の生れない当時にさかのぼる必要がある。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)