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溯
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さかの
ふりがな文庫
“
溯
(
さかの
)” の例文
根本義に
溯
(
さかの
)
ぼったらそれほどに感じていない敬太郎もこう聞かれると、行がかり上そうだと思わざるを得なかった。またそう答えざるを得なかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
否、其前逢つた時既に、と思ひ
出
(
だ
)
した。代助は
二人
(
ふたり
)
の過去を順次に
溯
(
さかの
)
ぼつて見て、いづれの
断面
(
だんめん
)
にも、
二人
(
ふたり
)
の間に
燃
(
もえ
)
る愛の
炎
(
ほのほ
)
を見出さない事はなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私の
父母
(
ふぼ
)
、私の
祖父母
(
そふぼ
)
、私の
曾祖父母
(
そうそふぼ
)
、それから順次に
溯
(
さかの
)
ぼって、百年、二百年、
乃至
(
ないし
)
千年万年の間に
馴致
(
じゅんち
)
された習慣を、私一代で
解脱
(
げだつ
)
する事ができないので
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
結婚問題と云うより僕と千代子を取り巻く周囲の事情と云った方が適当かも知れない。それを説明するには話の順序としてまず千代子の生れない当時に
溯
(
さかの
)
ぼる必要がある。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もしこの
気易
(
きやす
)
い状態が一二時間も長く続いたなら、あるいは僕の彼女に対して
抱
(
いだ
)
いた変な疑惑を、過去に
溯
(
さかの
)
ぼって当初から
真直
(
まっすぐ
)
に黒い棒で誤解という名の
下
(
もと
)
に消し去る事ができたかも知れない。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
溯
漢検準1級
部首:⽔
13画
“溯”を含む語句
溯江
溯上
溯源
溯行
溯及
溯巻
溯洄
溯算