溯上さかのぼ)” の例文
「北流する水を利して進むは、入るにやすい道には違いないが、ひとたび退こうとするときは、流れを溯上さかのぼるの困難に逢着するであろう」
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春から二た月ばかり休んで居ましたが、石井平四郎の伜を皮切りに、段々大川筋を溯上さかのぼつて、本所、淺草あたりまで荒すやうになつたのです。
春から二た月ばかり休んでいましたが、石井平四郎の倅を皮切りに、だんだん大川筋を溯上さかのぼって、本所、浅草あたりまで荒らすようになったのです。
「品川沖から、死骸が大川を溯上さかのぼるのは、どうも面白くないことだと申上げて下さい、ハイ、左樣なら」
平次は、この事件の眞相を突きとめる爲には、遠く原因に溯上さかのぼる外は無いと思つたのです。
平次は、この事件の真相を突きとめる為には、遠く原因に溯上さかのぼる外は無いと思ったのです。