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もら
ふりがな文庫
“
泄
(
もら
)” の例文
未
(
いま
)
だ
必
(
かなら
)
ずしも
(六四)
其身
(
そのみ
)
之
(
これ
)
を
泄
(
もら
)
さざるも、
而
(
しか
)
も((説者ノ))
語
(
ご
)
((適〻))
其
(
そ
)
の
匿
(
かく
)
す
所
(
ところ
)
の
事
(
こと
)
に
及
(
およ
)
ばんに、
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
者
(
もの
)
は
身
(
み
)
危
(
あやふ
)
し。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
殿下は知事の御案内で御仮屋へ召させられ、大佐の
物申上
(
ものもうしあぐ
)
る度に
微笑
(
ほほえみ
)
を
泄
(
もら
)
させられるのでした。群集の視線はいずれも殿下に
注
(
あつま
)
る。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
叱
(
しか
)
る事は持前なれども表へ出ては口の
利
(
きけ
)
る大屋に非ず
殊
(
こと
)
に寄たら當人へ
泄
(
もら
)
して
迯
(
にが
)
すも知れざれば彦兵衞殿の家主八右衞門殿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
異時敵を軽んず
已
(
すで
)
に計に
非
(
あら
)
ず、今日の折衝知るこれ誰なるかを。幽憤胸に満ちて
泄
(
もら
)
す所なく、獄中血を
瀝
(
そそ
)
いでこの詩を録す
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
久遠
(
くをん
)
のむかしに、
天竺
(
てんぢく
)
の国にひとりの若い
修行
(
しゆぎやう
)
僧が居り、野にいでて、感ずるところありてその
精
(
せい
)
を
泄
(
もら
)
しつ、その精草の葉にかかれり。などといふやうなことが書いてあつた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
彼は忍びやかに
太息
(
ためいき
)
を
泄
(
もら
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
斯う言つて、町会議員は今更のやうに
他
(
ひと
)
の秘密を
泄
(
もら
)
したといふ顔付。『君だから、話す——秘密にして置いて呉れなければ困る。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
偖
(
さて
)
も同志の人々は小山田庄左衞門が
逐電
(
ちくでん
)
せしを聞て大いに怒り追掛て
討止
(
うちとめ
)
んと云しを大石制して其身に惡事有れば夜討の事を
泄
(
もら
)
す
氣遣
(
きづかひ
)
なしと止めしが
豫
(
かね
)
て申合せし四十七人十四日の夜全く本望を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いかなる町内の秘密をも聞き
泄
(
もら
)
すまいとしているようなある商家のかみさんは大きな風呂敷包を背負って、買出しの帰りらしく町を通った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼は一種の感慨をもって、何物を犠牲にしても生きなければ成らなかったような当時の心の消息をその中に
泄
(
もら
)
した。彼は旅行記の一節にこう書いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
其調子がいかにも皮肉に聞えたので、準教員は傍に居る尋常一年の教師と顔を見合せて、思はず互に
微笑
(
ほゝゑみ
)
を
泄
(
もら
)
した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
こうお雪は嘆いて、力なさそうに
溜息
(
ためいき
)
を
泄
(
もら
)
した。
暫時
(
しばらく
)
、彼女は畳の上に
俯臥
(
うつぶし
)
に成っていた。復たお房は泣出した。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
四辺
(
あたり
)
には人も見えなかった。誰の遠慮も無いこの谷間で彼は堪らなく
圧迫
(
おしつ
)
けられるような切ない心を紛らそうとした。沈黙し鬱屈した胸の苦痛をそこへ
泄
(
もら
)
しに来た。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
宗蔵の話が出ると、実は
口唇
(
くちびる
)
を
噛
(
か
)
んで、ああいう
我儘
(
わがまま
)
な、手数の掛る、
他所
(
よそ
)
から病気を背負って転がり込んで来たような兄弟は、自分の重荷に堪えられないという語気を
泄
(
もら
)
した。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼女はめずらしく晴々とした顔付で、まだ姿にも動作にも包みきれないほどの重苦しさがあるでもなく、
僅
(
わずか
)
に軽い息づかいを
泄
(
もら
)
しながら庭先の
椿
(
つばき
)
の芽などを叔父に指して見せた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あるものは斯の飯山から
彼様
(
あん
)
な人物を放逐して
了
(
しま
)
へと言ふし、あるものは市村弁護士に投票しろと呼ぶし、あるものは又、世にある多くの政事家に対して激烈な絶望を
泄
(
もら
)
し乍ら歩くのであつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし畜生ながらに賢いもので、その日の
失敗
(
しくじり
)
を
口惜
(
くちお
)
しく思うものと見え、ただ
悄々
(
しおしお
)
として、首を垂れておりました。
二重※
(
ふたえまぶち
)
の大な眼は紫色に潤んで来る。
幽
(
かすか
)
に
泄
(
もら
)
す声は深い
歎息
(
ためいき
)
のようにも聞える。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
泄
漢検1級
部首:⽔
8画
“泄”を含む語句
漏泄
排泄
排泄物
排泄作用
引泄
排泄濠
泄冶
泄瀉
浚泄船
見泄