殺人ひとごろし)” の例文
そういう殺人ひとごろしをした悪人なら、まさかりを投げて足を斬ったもよいが、でもこれから殺伐なことは、なるべく謹んでしない方がいいねえ。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ロレ 手前てまへこそは、力量りきりゃういっ不足ふそくながら、ときところ手前てまへ不利ふりでござるゆゑ、このおそろしい殺人ひとごろしだいばん嫌疑者けんぎしゃでござりませう。
何でも政治向のことで上方では騒動があって、謀叛むほんくわだてた一味の中には、殺人ひとごろしまでしながら網をくぐって、西国へ逃げた者があるそうだ。
風呂供養の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
何故世の中には情死しんぢう殺人ひとごろし強盗がうとう姦通かんつう自殺じさつ放火はうくわ詐欺さぎ喧嘩けんくわ脅迫けふはく謀殺ぼうさつの騒が斷えぬのであらうか、何故また狂人きちがひ行倒ゆきだふれ乞食こじき貧乏人びんぼうにんが出來るのであらうか。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
横浜で露西亜ロシア人の斬られたことなどは、ただその事変に驚くばかりで自分の身には何とも思わざりしに、その後間もなく外人嫌いの精神はにわかに進歩して殺人ひとごろしの法が綿密になり、筋道すじみちわか
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
泥酔漢のんだくれのおくびと、殺人ひとごろしるい計画たくらみとにふりそそぐ雨。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たとへ放火ひつけ殺人ひとごろし大罪だいざいにて監獄にるとも
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
一人殺した! ああ阪東薪十郎! 誰のためだ? お前のためだ! 女のために侍が殺人ひとごろしをして盗みをする! この恋心、信じられぬか!
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
放火つけび殺人ひとごろし誘拐かどわかし、詐欺——と云ったような荒っぽいことを、日常茶飯事といたしている、極めて善良な正直者たちで」
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そんな話はやめてくれ! あんまりひどい! あんまり惨酷だ! ……俺もずいぶん殺生な男で、殺人ひとごろしなど何んとも思っていないが、嬰児の眼を潰すほどの
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「邪悪——そうだ、女をとりわけ憎んだっけ。……強盗おしこみ放火ひつけ殺人ひとごろし、ありとあらゆる悪業を働いた野郎だ」
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「狼どころかもっと怖い、山窩だっているのでございますよ。放火ひつけと泥棒と殺人ひとごろしと、三つを兼ねた山窩がね」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
相手が兇悪な盗賊とかまたは殺人ひとごろしの罪人とか、そういうものを退治るなら一も二もなくお受けしようが、亡魂ぼうこんとあっては有難くない——これが葉之助の心持ちであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ところが浮世の殺人ひとごろし受け負い業者、云いかえると英雄豪傑だが舵の取り方がうまくないなあ
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
よしよし面白い面白い、ひとつこいつの手にいて、殺人ひとごろし請負業を開店ひらいてやろう。天変地妖相続き、人心恟々天下騒然、食える野郎と食えぬ野郎と、変にひらきがあり過ぎる。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
上野こうずけ下野しもつけ武蔵むさし常陸ひたち安房あわ上総かずさ下総しもうさ相模さがみと股にかけ、ある時は一人で、ある時は数十人の眷属けんぞくと共に、強盗おしこみ放火ひつけ殺人ひとごろしの兇行を演じて来た、武士あがりのこの大盗が
猿ヶ京片耳伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
裾野を通る旅人を竈へ入れて蒸すのです。……殺人ひとごろしが好きでございます。一つの口癖がございます。男を殺すと『姦夫』と叫び、女を殺すと『姦婦』と叫ぶ。これが口癖でございます。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
原始的性格の葉之助が殺人ひとごろしの味を知ったことは、それより一層危険な事である。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
恐怖から恐怖! ……賊に襲われる恐怖からは危うく助けられたが、殺人ひとごろしの悪鬼の出現に、戦慄のどん底へ落とされた菊弥は、床の上へ坐ったまま、悪鬼の姿を、両手を合わせてただ拝んだ。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
殺人ひとごろしをすることが出来るのさ。……此奴は何うだ、知ってるかな?
天主閣の音 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「でも今日は殺人ひとごろしは、一人だけで済みましてござりますのね」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「受負でござろう、殺人ひとごろしのな!」
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
殺人ひとごろしではないのかえ?」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
つづいて殺人ひとごろしが行われた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)