えだ)” の例文
旧字:
ふたゝび荊棘けいきよくえだとり香花かうくわ神前しんぜんさしはさみくうず。次にあつま各童わらべども手に木刀をとりみち隊閙たいだうしすべて有婚こんれいして无子こなきをんな木刀をもつ遍身へんしん打之これをうち口に荷花蘭蜜こばらみとなふ。
石に腰掛けて甘酒を飲んでいるお店者たなものもあった。柳の並木が茂りつづいている時分のことで、岸から石垣の下の方へ長く垂下った細いえだが見える。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
結構の奇、事状の異、談話の妙、所謂三拍子揃い、柳のえだに桜の花をかせ、梅のかおりをたせ、ごうも間然する所なきものにて、さきに世に行われし牡丹灯籠、多助一代記等にまさる事万々なり。
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
ふたゝび荊棘けいきよくえだとり香花かうくわ神前しんぜんさしはさみくうず。次にあつま各童わらべども手に木刀をとりみち隊閙たいだうしすべて有婚こんれいして无子こなきをんな木刀をもつ遍身へんしん打之これをうち口に荷花蘭蜜こばらみとなふ。
「みずくさ」という木の赤いえだに、米の粉をまるめてまゆの形をつくる。それを神棚に飾りつける。養蚕の前祝だという。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
百樹もゝき案に、くだんの風土記にふたゝ荊棘けいきよくえだを取り香花つねにいのる神前にさしはさむといひしは、餅花もちばな神棚かみたなくうずる事を聞て粥杖かゆつゑの事と混錯こんさくして記したるなるべし。しかりとすれば餅花もちはなも古き祝事しゆくじなり。
橋を渡ると、青い香もせたような柳の葉が、石垣のところから垂下っている。細長いえだを通して、逆にあふれ込む活々いきいきとした潮が見える。その辺まで行くと、三吉の家は近かった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
百樹もゝき案に、くだんの風土記にふたゝ荊棘けいきよくえだを取り香花つねにいのる神前にさしはさむといひしは、餅花もちばな神棚かみたなくうずる事を聞て粥杖かゆつゑの事と混錯こんさくして記したるなるべし。しかりとすれば餅花もちはなも古き祝事しゆくじなり。
山半やまのなかば老樹らうじゆえだをつらねなかばより上は岩石がんぜき畳々でふ/\として其形そのかたち竜躍りようをどり虎怒とらいかるがごとく奇々怪々きゝくわい/\いふべからず。ふもとの左右に渓川たにがはありがつしてたきをなす、絶景ぜつけいいふべからず。ひでりの時此滝壺たきつぼあまこひすればかならずしるしあり。