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曠
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はれ
ふりがな文庫
“
曠
(
はれ
)” の例文
第五番に、
檜扇
(
ひおうぎ
)
取って練る約束の、
我
(
おの
)
がお珊の、市随一の
曠
(
はれ
)
の姿を見ようため、
芸妓
(
げいこ
)
、
幇間
(
たいこもち
)
をずらりと並べて、宵からここに座を構えた。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一瞬、せっかくの
曠
(
はれ
)
の日が、
険
(
けわ
)
しい雲に
蔽
(
おお
)
われてきたように、誰もが胸を暗くした。義経の襟の毛も微かに、わなないているかに思われた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
内には
鈴
(
すう
)
ちやんが今日を
曠
(
はれ
)
と着飾つて、その美しさと謂ふものは! ほんにまああんな
縹致
(
きりよう
)
と云ひ、気立と云ひ、諸芸も出来れば、
読
(
よみ
)
、
書
(
かき
)
、
針仕事
(
はりしごと
)
、そんなことは言つてゐるところではない。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一望すれば眼界新たに
曠
(
はれ
)
て
昨日
(
きのふ
)
までの景色と異なり群山皆な雌伏此の峠の
外
(
ほか
)
に山と仰ぐべきなし何か自分が此山になつたやうな氣持にて傲然としてまた一睨みす下りは元は急にて上りより難儀なりしを
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
なぜならば、徳川殿という
曠
(
はれ
)
の大賓をむかえ、浜松の家中にも、京の
貴紳
(
きしん
)
にも、織田家の宿将たちにも、のこらず知れ渡ることだからである。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
内匠頭だけではない、吉良だけではない、
曠
(
はれ
)
の中だ。辺りには、正装した諸侯が、声に振り向いて驚きの眼を
瞠
(
みは
)
っていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
以
(
もっ
)
ていかに、秀吉
麾下
(
きか
)
の面々が、たがいに手に
唾
(
つば
)
して、たとえば宇治川の先陣に臨むがごとき——
曠
(
はれ
)
と、意気とを——心に期していたかがわかる。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日々、職場へ向つて、朝家を立ち出るわが子、また良人へ、
曠
(
はれ
)
やかな安心を添へて見送ることでも、その一つである。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
気稟
(
きひん
)
はまだ青年に劣らず、眉にも頬にも化粧をほどこし、きょうを
曠
(
はれ
)
と装ったのであるから、
陪観
(
ばいかん
)
の外国人の群れ——
耶蘇会
(
ゼスイット
)
の代表者などもみな驚目をみはって
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元和以来の武門のしきたりを、真ッ向に信奉して、
稀〻
(
たまたま
)
、
曠
(
はれ
)
の大命拝受に、いよいよ日頃の武門精神のみがきを、この
秋
(
とき
)
に示すような、逆な考えと、緊張をもった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大量の兵力をひっさげて、一方の将たらんといって来るような
曠
(
はれ
)
ある参加者はほとんどなかった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここを
曠
(
はれ
)
の戦場として名乗り合うような古雅なる戦いの
風
(
ふう
)
は、だいぶ士門にもうすらいでいた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小姓どもにいいつけて、
水裃
(
みずがみしも
)
や水いろの
袴
(
はかま
)
など、死に就くべき
曠
(
はれ
)
のものを揃えさせていた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
袁紹も、
曠
(
はれ
)
のいでたちを着飾って、
冀北城
(
きほくじょう
)
からいざ出陣と馬をひかせると、重臣の
田豊
(
でんほう
)
が
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天子の
御叡覧
(
ごえいらん
)
にそなえ奉る
曠
(
はれ
)
の日にてあるぞ。
明国
(
みんこく
)
、南蛮、
西夷
(
せいい
)
の国々へまで聞えわたるわが
国振
(
くにぶり
)
の
武家式事
(
ぶけしきじ
)
ぞ。心いっぱい
豪壮
(
ごうそう
)
せよ、美術せよ、われとわが姿と行動とを芸術せよ
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かの馬揃えの天覧に、
御簾
(
ぎょれん
)
のあたりの
月卿雲客
(
げっけいうんかく
)
を驚嘆させ、三十余万の民衆の眼を奪った
絢爛
(
けんらん
)
に劣らない
曠
(
はれ
)
のいでたちが、この日も、信長とその前後の諸大将旗本をつつんでいた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柘植
(
つげ
)
、渡辺のふたりは、両大将の前へ出て、
曠
(
はれ
)
がましい報告を、こもごもに語った。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大月玄蕃は、途中で思わぬ不快を求めたばかりか多くの
負傷
(
ておい
)
さえ出してしまったので、
曠
(
はれ
)
の場所に臨む前から、一同の気勢を
殺
(
そ
)
いではと、無理に元気づけて、時遅れじと急いで来たのだ。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八葉の車は今日、お礼のため、
曠
(
はれ
)
の殿上へと、その人を
駕
(
の
)
せて行ったのである。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
曠
(
はれ
)
の祝いじゃ、支度をするがよい——」と忠房は重蔵と千浪を促してから
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも
曠
(
はれ
)
の式日に、曠の
扮装
(
ふんそう
)
をもって、演じてしまった宿命にすぎない。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
媒人
(
なこうど
)
夫婦は、こう
促
(
うなが
)
して、やがて聟どのを
伴
(
ともな
)
って、こよいの
曠
(
はれ
)
の席へ——といってもすぐ二間越しのそこもそう広からぬ一間であったが、設けの席へ
誘
(
いざな
)
って、聟殿の坐るところへ聟殿を坐らせた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
曠
(
はれ
)
の陣頭で、晴々と、
太史慈
(
たいしじ
)
に笑いかえされたので、年少な孫策は
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「とやこうは面倒ッ、
曠
(
はれ
)
の試合場に向う血祭りにしてしまえッ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
唐突な
曠
(
はれ
)
がましさであったに違いない。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
曠
(
はれ
)
の合戦、高きへ上って見物ないたせ。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
曠
漢検1級
部首:⽇
19画
“曠”を含む語句
曠野
曠々
曠古
曠着
曠達
曠日
大曠野
曠劫
曠世
曠原
曠茫
曠野集
曠日弥久
曠量
清迥閑曠
曠衣裳
曠衣
曠草
蕭散閑曠
曠職
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