故々わざ/\)” の例文
かはり、いまね、ながらほんんでて、面白おもしろことがあつたから、おはなしをしてげようとおもつて、故々わざ/\あそびにたんぢやないか。途中とちうさむかつたよ。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ではどうですか、藻西太郎は伯父を殺して仕舞た後で故々わざ/\自分の名前を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
肝心かんじんこと言忘いひわすれた。——木戸錢きどせんはおろか、遠方ゑんぱうから故々わざ/\汽車賃きしやちんして、おはこびにつて、これを御覽ごらんなさらうとする道徳家だうとくか信心者しんじんしやがあれば、さへぎつておまをす。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
職人の衣類を捨て故々わざ/\藻西の如き商人の風に打扮いでたちプラトを連れて老人の許へ問行といゆきしなり、是だけにて充分藻西に疑いの掛るならんと思いたれど猶お念の上にも念を入れ、老人の死骸の手を取り
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
故々わざ/\ふまでもないが、さかうへ一方いつぱう二七にしちとほりで、一方いつぱうひろまち四谷見附よつやみつけける。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたしだつて、御覽ごらんとほり、べつ怪我けがもせず無事ぶじなんですから、故々わざ/\はなしをするほどでもないのかもれませんが、でも、けてらつしやるはうからうとおもつたからです。……失禮しつれいしましたね。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)