攀上よぢのぼ)” の例文
がけや岩に攀上よぢのぼるとき、お六は決つて下から手を差伸べ、少し甘い調子で救ひを求めます。
からかさはぐる/\とだんにかゝる、ともなく攀上よぢのぼるに不思議ふしぎはない。こまやかないろだんつゝんで、くもせたやうにすら/\とすべらしげる。はやい、身軽みがるなのが、案山子かゝしなかにもあるにこそ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それで此方こつちが五人六人、十人と数が多くなると、屋根でも、樹でも、する/\と攀上よぢのぼつて、丸で猫ででもあるかのやうに、森と言はず、田と言はず、川と言はず、直ちにげて身を隠して了ふ。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
一月ひとつきうち身體からだがきれいにりました、翌日あくるひことだつたんです、お仙人せんにんつゑいて、幾壇いくだんだんりて、やかたすこはなれました、攀上よぢのぼるほどないはうへれてきました。眞晝間まつぴるまことなんです。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あたかもよしよこざまにがけでて、らぬはなきたる、えだすがりつも、づぶれのまゝあがりし、うつくしきをとこなれば、これさへみづるばかり。くさをつかみ、辿たどりて、次第しだいそら攀上よぢのぼる。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)