揚物あげもの)” の例文
鉄砲みがき組支配田付四郎兵衛景利とともに大小火砲、石火矢いしびや棒火矢ぼうびや狼煙のろし揚物あげもの、その他、火術の一般を差配することになった。
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あるひ飮食店いんしよくてんける揚物あげものあぶらあるひはせるろいど工場こうじようなど、文化ぶんかすゝむにしたがひ、化學藥品かがくやくひんにして發火はつか原因げんいんとなるものが、ます/\えてる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
日本流の天麩羅てんぷらならばそれから衣をつけて揚げれば楽に出来る。これは西洋のサラダあぶらで揚げたのだから味が軽い。揚物あげものにはサラダ油が第一等だね。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
この前からこの土地で得られるだけのご馳走を買い集めて揚物あげものその他村人には珍しいような物を沢山こしらえました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
豚肉の串焼くしやきの中にも、きじきも揚物あげものの中にも、こい丸煮まるにの中にも、その他いろんな見事な料理の中には、みな強い酒がまぜてありましたし、それを食べながら
天狗の鼻 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
誠に結構けつこうなおしなでございますと、めながらきずけるんだ、しい事には揚物あげものでございますつて。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
トンカツにめぐり会わない日本人はようやくその代用品を見つけて、衣を着た肉の揚物あげものに対する執着しゅうちゃくたすだけで我慢しなければならぬ。それはこうしの肉のカツレツである。
異国食餌抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
私は奥で揚物あげものをしているご亭主のところへ行き
ヴィヨンの妻 (新字新仮名) / 太宰治(著)
揚物あげものわかるか、揚物あげものてえと素人しらうと天麩羅てんぷらだと思ふだらうが、なげえのを漸々だん/″\めたのを揚物あげものてえのだ、それから早く掛物かけものを出して見せなよ、やぶきアしねえからお見せなせえ
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
揚物あげものあぶらなべなかにて發火はつかした場合ばあひは、手近てぢかにあるうどん菜葉なつぱなどをなべむこと。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
たい揚物あげもの 夏 第百七十九 野菜の功
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
慈姑くわい揚物あげもの 春 第八十五 軽い鍋
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)