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挾箱
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はさみばこ
ふりがな文庫
“
挾箱
(
はさみばこ
)” の例文
新字:
挟箱
坂になった馬籠の町は金の
葵
(
あおい
)
の紋のついた
挾箱
(
はさみばこ
)
、長い
柄
(
え
)
の
日傘
(
ひがさ
)
、鉄砲、
箪笥
(
たんす
)
、
長持
(
ながもち
)
、その他の諸道具で時ならぬ光景を呈した。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
三百石の家にては侍二人、
具足持
(
ぐそくもち
)
一人、
鑓持
(
やりもち
)
一人、
挾箱
(
はさみばこ
)
持
(
もち
)
一人、馬取二人、
草履
(
ぞうり
)
取
(
とり
)
一人、
小荷駄
(
こにだ
)
二人の軍役を寛永十年二月十六日の御定めなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
甲斐は
駕籠
(
かご
)
で品川へ向かった。供は村山喜兵衛、矢崎
舎人
(
とねり
)
、辻村平六、そして成瀬久馬の四人、べつに
挾箱
(
はさみばこ
)
と献上品を運ぶために、小者が三人ついた。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何ものこらず、具足一領、
鎗
(
やり
)
一本、
白帷子
(
しろかたびら
)
ひとつ、
挾箱
(
はさみばこ
)
に入れて下り申し
候
(
そうろう
)
。
日本名婦伝:小野寺十内の妻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遠
(
とほ
)
く
離
(
はな
)
れた
寺
(
てら
)
からは
住職
(
ぢうしよく
)
と
小坊主
(
こばうず
)
とが、
褪
(
さ
)
めた
萠黄
(
もえぎ
)
の
法被
(
はつぴ
)
を
着
(
き
)
た
供
(
とも
)
一人
(
ひとり
)
連
(
つ
)
れて
挾箱
(
はさみばこ
)
を
擔
(
かつ
)
がせて
歩
(
ある
)
いて
來
(
き
)
た。
小坊主
(
こばうず
)
は
直
(
すぐ
)
に
棺桶
(
くわんをけ
)
の
葢
(
ふた
)
をとつて
白
(
しろ
)
い
木綿
(
もめん
)
を
捲
(
ま
)
くつて
窶
(
やつ
)
れた
頬
(
ほゝ
)
へ
剃刀
(
かみそり
)
を
一寸
(
ちよつと
)
當
(
あ
)
てた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
掛し
長持
(
ながもち
)
二棹
露拂
(
つゆばらひ
)
二人宰領二人づつなり
引續
(
ひきつゞ
)
きて
徒士
(
かち
)
二人長棒の乘物にて
駕籠脇
(
かごわき
)
四人
鎗
(
やり
)
挾箱
(
はさみばこ
)
草履取
(
ざうりとり
)
長柄
(
ながえ
)
持
合羽籠
(
かつぱかご
)
兩掛
(
りやうがけ
)
都合十五人の一列は赤川大膳にて是は
先供
(
さきとも
)
御長持
預
(
あづか
)
りの役なり次に天一坊の行列は先徒士九人
網代
(
あじろ
)
の乘物駕籠脇の
侍
(
さむら
)
ひは南部權兵衞本多源右衞門遠藤森右衞門
諏訪
(
すは
)
右門遠藤彌次六藤代
要人
(
かなめ
)
等なり先箱二ツは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そして下着一枚で顫えているのを見て、供の者に
挾箱
(
はさみばこ
)
を下ろさせ、中から自分の着替えを出して着せたうえ、なお供の者の雨合羽を上から掛けて呉れた。
契りきぬ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
あの諸大名が多数の従者を引きつれ、お
抱
(
かか
)
えの医者までしたがえて、
挾箱
(
はさみばこ
)
、
日傘
(
ひがさ
)
、鉄砲、
箪笥
(
たんす
)
、
長持
(
ながもち
)
、その他の諸道具の行列で宿場宿場を
埋
(
うず
)
めたような時は、もはや
後方
(
うしろ
)
になった。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
八重はおどろいて、それはその
儘
(
まま
)
でよいこと、礼服は、
挾箱
(
はさみばこ
)
へ入れて持ってゆくのだということを説明する。
日本婦道記:小指
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
挾
部首:⼿
10画
箱
常用漢字
小3
部首:⽵
15画
“挾箱”で始まる語句
挾箱持