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懷紙
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くわいし
ふりがな文庫
“
懷紙
(
くわいし
)” の例文
新字:
懐紙
家の中を見廻して、歸る時に
懷紙
(
くわいし
)
にくるんで金をおいていつたが、あんな凄い綺麗な女はないと、彼は老年になつても繰りかへしてゐた。
下町娘
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
袂
(
たもと
)
にも、
懷中
(
ふところ
)
にも、
懷紙
(
くわいし
)
の
中
(
なか
)
にも
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
て、
眞
(
しん
)
に
成
(
な
)
つて、
眞顏
(
まがほ
)
で、
目
(
め
)
を
据
(
す
)
ゑて
嗅
(
か
)
ぐのが
油
(
あぶら
)
を
舐
(
な
)
めるやうで
凄
(
すご
)
かつたと
言
(
い
)
ふ……
友
(
とも
)
だちは
皆
(
みな
)
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
ります。』と、
玄竹
(
げんちく
)
は
盃
(
さかづき
)
を
盃洗
(
はいせん
)
の
水
(
みづ
)
で
洗
(
あら
)
ひ、
懷紙
(
くわいし
)
を
出
(
だ
)
して、
丁寧
(
ていねい
)
に
拭
(
ふ
)
いた
上
(
うへ
)
、
但馬守
(
たじまのかみ
)
に
捧
(
さゝ
)
げた。それを
受
(
う
)
けて、
波々
(
なみ/\
)
と
注
(
つ
)
がせたのを、ぐつと
飮
(
の
)
み
乾
(
ほ
)
した
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
平次は
懷紙
(
くわいし
)
を出して、八五郎の眼の前に開いて見せました。
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
組
(
くみ
)
は、しかけた
用
(
よう
)
の
忙
(
せは
)
しい
折
(
をり
)
から、
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
は
早
(
は
)
や
暮
(
く
)
れかゝる、ついありあはせた
躾
(
たしなみ
)
の
紅筆
(
べにふで
)
で、
懷紙
(
くわいし
)
へ、
圓髷
(
まるまげ
)
の
鬢
(
びん
)
艷
(
つや
)
やかに、もみぢを
流
(
なが
)
す……うるはしかりし
水莖
(
みづぐき
)
のあと。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
と
紅筆
(
べにふで
)
の
戀歌
(
こひか
)
、
移香
(
うつりが
)
の
芬
(
ぷん
)
とする
懷紙
(
くわいし
)
を
恭
(
うや/\
)
しく
擴
(
ひろ
)
げて、
人々
(
ひと/″\
)
へ
思入
(
おもひいれ
)
十分
(
じふぶん
)
に
見
(
み
)
せびらかした。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
懷
部首:⼼
19画
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
“懷”で始まる語句
懷
懷中
懷手
懷姙
懷劍
懷胎
懷妊
懷劒
懷想
懷疑