御出世ごしゆつせ)” の例文
うれしさむねなかにおさへがたく、かげながらおがんでてもいほどのかたじけさなれど、つく/″\うへおもひまするに、貴郎あなたはこれよりいやます/\の御出世ごしゆつせあそばして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其昔そのむか大部屋おほべやあるきのおひとなりしを一ねんばかりにて御出世ごしゆつせ馬車ばしやつてのお姿すがたのやうの髭武者ひげむしやだとて立派りつぱらしうえるでは御座ござんせぬか、お前樣まへさまをとこなりや
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いまつからびること出來できなくては仕方しかたい、其樣そんこと他處よそうちでもしては不可いけないよとけるに、れなんぞ御出世ごしゆつせねがはないのだから他人ひとものだらうがなんだらうがかぶつてるだけがとく
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
名物めいぶつ一つかげをして二はな紺屋こうや乙娘おとむすめいま千束町せんぞくまちしんつた御神燈ごじんとうほのめかして、小吉こきちばるゝ公園こうえん尤物まれもの根生ねをひはおな此處こゝ土成つちなりし、あけくれのうはさにも御出世ごしゆつせといふはをんなかぎりて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)