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張
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ばり
ふりがな文庫
“
張
(
ばり
)” の例文
主人のは成田屋
張
(
ばり
)
で、どうかすると仮白を真似た後で、「成田屋」という声を自分で掛けた。それが出る時は主人の
機嫌
(
きげん
)
の好い時であった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
総じて松王は品格上々にて貫目も充分にあり、
応
(
こた
)
ふるところも応へたれど、慾をいへば調子がどす一てん
張
(
ばり
)
なるため、やや変化に乏きを
憾
(
うらみ
)
とす。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
又「
宜
(
い
)
いからつけろ、表の戸締りをすっぱりして仕舞え、
一寸
(
ちょっと
)
明けられねえ様に、しん
張
(
ばり
)
をかってしまいな、酒をつけろ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
迷亭の言葉が少し途切れる
途端
(
とたん
)
、裏の方で「まだ鼻の話しをしているんだよ。何てえ
剛突
(
ごうつ
)
く
張
(
ばり
)
だろう」と云う声が聞える。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御存じの烈しい
流
(
ながれ
)
で、
棹
(
さお
)
の立つ瀬はないですから、綱は
二条
(
ふたすじ
)
、
染物
(
そめもの
)
をしんし
張
(
ばり
)
にしたように
隙間
(
すきま
)
なく
手懸
(
てがかり
)
が出来ている。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
唯物主義一点
張
(
ばり
)
の血も涙もない生涯を送ろうと思っていた僕の信念が、貴女のお蔭で根柢からグラ付き初めたのです。
近眼芸妓と迷宮事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一生涯が間身を放たで持ちたりける、五人
張
(
ばり
)
にせき
弦
(
づる
)
懸けて
噛
(
く
)
ひ
湿
(
しめ
)
し、三年竹の
節近
(
ふしぢか
)
なるを、十五束
二伏
(
ふたつぶせ
)
に
拵
(
こしら
)
へて、
鏃
(
やじり
)
の
中子
(
なかご
)
を
筈本
(
はずもと
)
まで打ち通しにしたる矢、たゞ三筋を
手挟
(
たばさ
)
みて
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
裏口からの客すらも、未だやって来ない、夜明け前の流し場に、ミチは熱い浴槽から出た
薔薇
(
ばら
)
色の肉体をタイル
張
(
ばり
)
の流し場にぐったりと投げ出す。立って、体中に
石鹸
(
せっけん
)
の泡を塗りまくる。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
『色懺悔』というような濃艶な元禄情味を
滴
(
した
)
たらした書名が第一に人気に投じて、内容はさして
勝
(
すぐ
)
れたものではなかったが、
味淋
(
みりん
)
と
鰹節
(
かつおぶし
)
のコッテリした元禄
張
(
ばり
)
の文章味が読書界を沸騰さした。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「この
業
(
ごう
)
つく
張
(
ばり
)
め」彼女はじりじりして、そう言って
罵
(
ののし
)
った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「わが大巡洋艦はブリキ
張
(
ばり
)
である。」
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
玄関から座敷へ通つて見ると、寺尾は
真中
(
まんなか
)
へ一貫
張
(
ばり
)
の机を据ゑて、頭痛がすると云つて
鉢巻
(
はちまき
)
をして、腕まくりで、帝国文学の原稿を
書
(
か
)
いてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
間もなく
枢
(
ひつぎ
)
という四方
張
(
ばり
)
の
俎
(
まないた
)
に
載
(
の
)
せて焼かれてしまった。斎木の御新造は、人魚になった、あの
暴風雨
(
あらし
)
は、北海の浜から、
潮
(
うしお
)
が迎いに来たのだと言った——
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
超モダンな分離派式タイル
張
(
ばり
)
の三坪ばかりの部屋の天井と四壁に、贅沢にも十数個の電球と、合計七個の大小の鏡を取附けた馬鹿馬鹿しいとも形容さるべき構造で
S岬西洋婦人絞殺事件
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
姉さんまで小父さんの成田屋
張
(
ばり
)
にかぶれて、そんなことを言うように成った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“張(張(姓))”の解説
張(ちょう)は、漢姓の一つ。中華圏で多い姓の1つである。
(出典:Wikipedia)
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“張”を含む語句
矢張
引張
緊張
出張
突張
威張
誇張
見張
硝子張
鯱張
頬張
張合
薩張
葭簀張
大威張
縄張
主張
高張提灯
弓張提灯
繩張
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