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かさだか
ふりがな文庫
“
嵩高
(
かさだか
)” の例文
忽
(
たちま
)
ち恐ろしく
嵩高
(
かさだか
)
な、色彩のゆたかなものを肩にかけながら物々しい
衣
(
きぬ
)
ずれの音をひゞかして出て来たのに、又驚きを新たにした。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しかも、桑籠に盛りあがつてゐるくらゐはまだ輕い方で、背を丸くして、うつむいて歩くと頭を越すほど、
嵩高
(
かさだか
)
な桑の葉を運ぶのだつた。
桑摘み
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「あれじゃ」「ほう、またひどく
嵩高
(
かさだか
)
な物だが、何でござろうか」「
蔽
(
おお
)
いをとれ」はっと答えて家来の一人が
被
(
かぶ
)
せてある蔽い布をとった。
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そして執事を通じてその
嵩高
(
かさだか
)
の原稿を伯爵の手もとまでさし出した。伯爵はその折椅子にもたれてぽかんとしてゐたらしかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それがそのあたりの田圃だった時分のさまを
可懐
(
なつか
)
しくおもい出させた。——それにはその道の上に
嵩高
(
かさだか
)
につまれた
漬菜
(
つけな
)
のいろ。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
▼ もっと見る
「三十ですって……。」お庄はあまり
嵩高
(
かさだか
)
なような気がして、そんな
年数
(
としかず
)
の考えが、どうしても
頭脳
(
あたま
)
へ入らなかった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
何も大路であるから不思議なことは無い。たまたま又非常に重げな
嵩高
(
かさだか
)
の荷を負うて
喘
(
あえ
)
ぎ喘ぎ大車の
軛
(
くびき
)
につながれて
涎
(
よだれ
)
を垂れ脚を
踏張
(
ふんば
)
って行く牛もあった。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
おのれが乗物の顔して急ぐ
気色
(
けしき
)
も無く
過
(
すぐ
)
る後より、
蚤取眼
(
のみとりまなこ
)
になりて遅れじと
所体頽
(
しよたいくづ
)
して
駈来
(
かけく
)
る女房の、
嵩高
(
かさだか
)
なる風呂敷包を
抱
(
いだ
)
くが上に、
四歳
(
よつ
)
ほどの子を背負ひたるが
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
夜具か何かを
嵩高
(
かさだか
)
に包んだ私の身体よりも大きな包みを背負つて、私は教へられた通り、辻々の電信柱に貼つてある町名札を見ながら、西へ西へとよち/\と歩いて行つた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
唐紙
(
からかみ
)
を割き疊の表を剥がし、布團の綿を引出し、着て居る着物や帶までも割きましたが、祕傳書と言つた
嵩高
(
かさだか
)
なものは素より、御墨附の紙片一枚さへ見付からなかつたのです。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは、内国貨物及び比較的小なる価値を有つものではあるが
嵩高
(
かさだか
)
の貨物の価格が、他の原因とは無関係に、製造業の栄えている国においてより高い理由を吾々に説明するであろう。
経済学及び課税の諸原理
(新字新仮名)
/
デイヴィッド・リカード
(著)
五百らは上山で、ようよう陸を運んで来た
些
(
ちと
)
の荷物の過半を売った。これは金を得ようとしたばかりではない。
間道
(
かんどう
)
を進むことに決したので、
嵩高
(
かさだか
)
になる荷は持っていられぬからである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大開
(
おほはだ
)
けに
成
(
な
)
つた
足
(
あし
)
に、ずぼんを
穿
(
は
)
いて、
薄
(
うす
)
い
鶸茶
(
ひわちや
)
と
云
(
い
)
ふ
絹
(
きぬ
)
の、
手巾
(
ハンケチ
)
も
念入
(
ねんいり
)
な
奴
(
やつ
)
を、あぶらぎつた、じと/\した
首
(
くび
)
、
玉突
(
たまつき
)
の
給仕
(
きふじ
)
のネクタイと
云
(
い
)
ふ
風
(
ふう
)
に、ぶらりと
結
(
むす
)
んで、
表
(
おもて
)
の
摺切
(
すりき
)
れた
嵩高
(
かさだか
)
な
下駄
(
げた
)
に
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私は荒縄で締めくゝつた
嵩高
(
かさだか
)
の幾束かを求めないわけにゆかなかつた。多くの人は和紙を愛し敬つてはくれる。だが更に奥の之を作る人や暮しや信心をも振返つてくれる人が、どれだけゐるだらうか。
和紙十年
(新字旧仮名)
/
柳宗悦
(著)
病人の着せられている
臙脂色
(
えんじいろ
)
に白い粗い市松模様を置いた、クレプ・ド・シンの
嵩高
(
かさだか
)
な
羽根布団
(
はねぶとん
)
が思いきり派手なのと、露台への出口が一間の引き違いの硝子戸になっていて
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
唐紙を割き畳の表を剥がし、布団の綿を引出し、着ている着物や帯までも割きましたが、秘伝書といった
嵩高
(
かさだか
)
なものはもとより、御墨付の
紙片
(
かみきれ
)
一枚さえ見付からなかったのです。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
嵩高
(
かさだか
)
な原稿を持ち込んで来たのが、ちょうどこの木蓮の花盛りだったので、彼女はその季節が来ると、それを懐かしく思い出すものらしかったが、ちょうどその時、葉子に来客があって
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
少し大袈裟に言つたら十二頭の
駱駝
(
らくだ
)
の背に積み分けてもいゝ程
嵩高
(
かさだか
)
な書物で、福田博士は
波斯
(
ペルシヤ
)
王ゼミイルの御殿へ、人間の歴史を献上に出かけてゆく学者の一
人
(
にん
)
ではあるまいかと思つた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「いや、何の
嵩高
(
かさだか
)
な……」
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
嵩
漢検準1級
部首:⼭
13画
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
“嵩”で始まる語句
嵩
嵩張
嵩山
嵩山正直
嵩増
嵩谷
嵩間
嵩山寺
嵩張物