封印ふういん)” の例文
それから私は、念のために、私の枕元に置いてあった水差しを、そっと封印ふういんして、町内の本道=玄庵さんに持って行って見て貰いました。
引出して見らるゝに至て重き者にしてかた封印ふういんあり其上書そのうはがきに慶長五年關ヶ原合戰軍用金ぐんようきん大橋文右衞門源清澄みなもとのきよずみ書付かきつけあり是に依て越前守殿一應お政へことわられしうへ封を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大勘定おほかんぢやうとて此夜このよあるほどのかねをまとめて封印ふういんことあり、御新造ごしんぞそれ/\とおもして、すゞり先程さきほど屋根やねやの太郎たらう貸付かしつけのもどり彼金あれが二十御座ござりました、おみねみね
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すれば、おまへがロミオへの封印代ふいんがはりにしたこのを、あだ證書しょうしょ封印ふういん使つかはうより、またいつはりのこのこゝろみさをそむいてあだをとこけうより、この懷劒くわいけんこゝろ突殺つきころしてのけう。
この球を発見せられたる人は、この球が封印ふういんしたるときより二十年以上たっていることをたしかめた後、この少年を冷凍球の中からとりだしていただきたい。それはむずかしいことではない。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その美術品は、国鉄から私鉄への乗りかえ駅で、つみかえられましたが、そのときは、大ぜいの人が厳重に見はりをして、私鉄の貨車につみこみ、貨車の戸錠とじょうをおろし、封印ふういんまでしたのです。
天空の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
櫻綾子さくらどんすのやうな薔薇ばらの花、勝ち誇つた唇の結構な氣の廣さ、櫻綾子さくらどんすのやうな薔薇ばらの花、光り輝くおまへの口は、わたしどもの肌の上、その迷景ミラアジユの赤い封印ふういんしてくれる、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
それから私は、念のために、私の枕元に置いてあつた水差しを、そつと封印ふういんして、町田の本道=玄庵さんに持つて行つて見て貰ひました。
申渡し表門には封印ふういんし御徒士目附御小人目附ども晝夜ちうや嚴重げんぢうに番をぞ致しける良藥は口ににが忠言ちうげんみゝさからふの先言せんげんむべなるかな大岡越前守は忠義一※いちづ凝固こりかたまりて天一坊の身分再吟味の直願ぢきぐわん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この球を発見せられたる人は、この球が封印ふういんしたるときより二十年以上たっていることをたしかめた後、この少年を冷凍球の中からとりだしていただきたい。それはむずかしいことではない。
三十年後の東京 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もとより高價なものですが、取出したのを見ると、虞美人草ぐびじんさうのやうな見事な朱塗しゆぬり、紫の高紐たかひもを結んで、その上に、一々封印ふういんをした物々しい品です。
ば村役人へ急度きつと預けおき奉公人は番頭忠兵衞はじめ殘らず是又村役人へ預申付るなり居宅ゐたくの儀は村の百姓共申合せ晝夜番ちうやばんを致すべしと申渡し家内諸式しよしき米倉迄こめぐらまでのこらず改めの上中田甚太夫の封印ふういん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
千兩箱を洗ひ清めて封印ふういんを直して、明日はいよ/\出發といふ晩、赤井左門の邸はもう一度怪盜に襲はれたのです。
封印ふういんをして、石原の子分衆が持って行きましたが、町内のお医者のところへでも持って行くような話でした」
封印ふういんをして、石原の子分衆が持つて行きましたが、町内のお醫者のところへでも持つて行くやうな話でした」
三千兩の小判は三つの千兩箱に詰められ、主人治兵衞の手で封印ふういんほどこし、番頭の源助と鳶頭かしらの辰藏が宰領さいりやうで、手代りの人足共總勢六人、柳橋に掛つたのは丁度晝時分でした。
「お靜、その酒は匂ひをいでもならねえよ。封印ふういんをして大事にしまつてけ」
騷ぎにまぎれて誰も氣のつかぬうちに、私は二本の徳利を見つけ封印ふういんをして持つて歸つたが、家で調べて見ても同じことだ、徳利は伊萬里いまりの無地で、一寸見てはけじめもわからぬが、中味は全く違つた